大阪大学 レーザー科学研究所

研究グループGROUPS

レーザー材料⼯学(LMO)

グループの概要

レーザー科学を推進するためには、競争力の源泉である高出力レーザーの効率と機能を向上させることが必要です。LMOグループでは、先進的なレーザーを実現するための基盤となる新規レーザー材料や多層膜反射鏡などの光学素子の開発に挑戦しています。具体的な研究対象は、透光性セラミックスおよびそれらを活用した光機能材料、広帯域波長変換用の非線形光学結晶、特殊光ファイバー、広帯域の反射鏡や回折格子、ならびに光学素子のレーザー損傷機構の解明と高耐力化などです。

研究室HP

研究内容

1.パワーレーザーのための光学材料・素子の開発

  • セラミックレーザー材料製作および接合技術
    イットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)にイットリビウム(Yb)やネオジム(Nd)などの希土類元素を添加した透明セラミックス製作の独自技術を保有しており、複数の添加元素の組み合わせと濃度を最適化した新規レーザー材料の開発を進めています。また、セラミックス同士、あるいはサファイアなどの異種材料との接合技術も開発中です。
  • KDP結晶の重水素化率制御と高速育成
    KDP結晶を用いて、可視域レーザー光を近赤外レーザー光に変換することができます(光パラメトリック増幅:OPCPA)。KDP結晶の重水素化率を最適化し、OPCPAの増幅帯域幅を500nmにまで拡大しました。エクサワット(1EW=1018W)増幅に必要な大型結晶を実現するために、高速育成(数cm/日)にも取り組んでいます。
  • 超広帯域大型回折格子・偏光素子・超広帯域低分散ミラーの開発
    LFEXレーザー用に開発した誘電体多層膜回折格子の技術を発展させて、現在、回折帯域幅を約100nmに拡大する研究を進めています。また、1m級の大口径多層膜偏光素子や超広帯域の低分散反射鏡、ならびに超広帯域のチャープ反射鏡の開発にも取り組んでいます。さらに、広帯域化に有用な新しい誘電体膜組成の開発も行っています。

次世代パワーレーザーの開発要素とLMOグループの研究内容

2.光機能材料・素子の開発およびそれらの産業応用

主として金属酸化物のセラミックスを母材とし、様々な元素を添加することによって、新しい機能性光学材料の開発を行っています。例えば、医療診断機器用の高性能シンチレーター、ファラデー回転子用の高感度磁気光学材料、各種照明用の白色光源材料などを他機関と共同研究によって開発しています。また、国内の大学では唯一のファイバー線引き装置を活用して、他機関や企業との共同研究によりフォトニック結晶ファイバーや特殊なコア形状の光ファイバーを開発しています。

左:透光性セラミックスの応用研究. 右:ファイバーレーザー技術

3.レーザー損傷評価法の開発と損傷機構の解明

レーザーの高強度化と高繰り返し化に伴って、光学素子のレーザー損傷や寿命が大きな課題となっています。レーザー損傷閾値とレーザー条件(波長、パルス幅、繰り返し周波数)および素子の特性(材料組成および組み合わせ、モルフォロジー、研磨精度、不純物など)との関係についてデータベースを構築するとともに、損傷過程の物理解明の研究を行っています。また、これらのデータベースと損傷機構に関する知見をもとに、高耐力の膜設計を目指しています。

左:レーザー損傷閾値DTの材料、パルス幅依存性. 右:多層膜反射鏡、回折格子の損傷試験

メンバー

藤岡 加奈 准教授
實野 孝久 特任教授
ページ先頭へ戻る