大阪大学 レーザー科学研究所

研究グループGROUPS

大型装置運転室(GOD)

グループの概要

GODグループでは、大型ガラスレーザー装置の激光ⅩⅡ号(GXII)およびLFEXの運転・維持および改善・開発を行っています。GODグループは、GXII班、LFEX班、Plasma班、Target班の4つの班から構成され、日々担当機器の整備に力を注いでいます。

研究室HP

活動内容

1. 激光XII号レーザー装置の運転・保守・性能向上

発振器からレーザー装置の最終段までには、様々なコンポーネントが設置されており、これらのコンポーネントの中心をレーザー光が通るように光軸調整(レーザーアラインメント)が行われる。レーザーの性能を維持するために、エネルギー、パルス波形、ビームプロファイルなどを監視している。ターゲットに照射する直前には、波長を変換するためのKDP結晶が配置され、赤外光を効率よく緑色または、紫外光に変換している。さらに、性能の向上を目的として、装置に関わる設備の様々な改善・開発も行っている。

激光XII号には、数mmのミラーから、大きい物では、500mm程度のミラーやレンズなどの光学部品が約5000個使用されている。これらの光学部品は、レーザーによる損傷や経年変化により性能劣化するため、交換する必要がある。これらの光学部品の受け入れ検査、管理を行っている。また、29台の口径25mmおよび50mmのロッド増幅器、24台の口径100mmのディスク増幅器、36台の口径200mm のディスク増幅器が配置されており、これらの増幅器は、フラッシュランプにより励起され、長期に使用していると埃などの焼き付きがひどくなり、出力が低下する。そのため、計画的にこれらの増幅器の洗浄を行う必要があり、これらの増幅器をクラス100のクリーンルーム内で、分解洗浄を行い、激光XII号の性能維持を行っている。

2. LFEXレーザー装置の運転・保守・性能向上

発振器部では、フェムト秒発振器、回折格子対を用いたパルス伸長器、3台の光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCPA)器からなっており、これらの装置の運転、維持、開発を行なっている。また、激光XII号とターゲット上でのタイミングを極力ずれなく調整するため、LFEXからの光を任意のパルス幅にして激光XII号に送り、光同期によるレーザーショットを行なっている。
増幅部では、発振器部から来たレーザー光をさらに増幅するため、前置増幅器列と主増幅器列があり、ロッド増幅器、スペーシャルフィルター、46cm×81cm×t4cmのガラススラブ(LHG)を用いた主増幅器、波面補正用デフォーマブルミラー等がある。これらの装置への光軸アラインメントやレーザーパターンの波面補正を行い、レーザーショットを行なっている。レーザーショット時には、出力エネルギー、パルス幅、スペクトル幅、ショット時の波面などを計測している。
増幅部から来た4ビームのレーザーを真空チャンバーに入ったダイヤモンド型パルス圧縮器に導き、42×92cmの大型回折格子を1ビーム当たり2枚用いて、パルス圧縮を行ない、ターゲットチェンバーへ軸外し放物面鏡で4ビームを1つのビームとして集光している。
また、発振器部、増幅部とも、よりレーザーの品質向上やオペレーションの向上等を目指して、改良、開発を行なっている。

3. プラズマ実験に関連する装置・機器設備の整備・維持・運転

激光XII号での実験におけるプラズマ計測器は、実験の内容によって様々であり、それぞれの実験グループが独自に開発するものも多いが、いくつかの基本的な計測装置は標準計測器としてPlasma班が開発・維持・管理および実験時にオペレーションし、ユーザーをサポートしている。主なものは、X線ピンホールカメラ、X線ストリークカメラ、X線フレーミングカメラなどである。ユーザーからの要請によりこれらを稼働することで、ユーザーは最低限必要なプラズマの空間分布、時間変化等のモニター情報を得ることが可能である。

(ターゲットチャンバーと取り付いた機器)

レーザー照射がなされるターゲットチャンバーは、レーザー部の集光装置、ターゲット度導入装置、ターゲット設定監視装置、計測器取り付けポート、および真空排気系を有するシステムである。ターゲットチャンバーの維持、特に真空排気系の運転整備に関しては、ポンプの定期メンテ、更新等を年次計画に基づき実施している。

高強度硬X線バックグラウンドに耐えうるX線画像計測診断技術や高速電子検出器開発を、所内外のプラズマ実験グループとも協力しながら開発し、現在、高速点火核融合実験に導入している。最近では、全反射鏡を導入したX線フレーミングカメラや、遮蔽強化したX線ストリークカメラ等の開発に成功し、これらは高速点火核融合実験において爆縮加熱ダイナミクスを診断するための強力なツールとなっている。

 4. レーザープラズマ実験に用いるターゲットの開発、供給

ターゲット開発では均一な厚さを持つ固体燃料層をどのようにして高速点火ターゲットの内部に作るかを中心に技術開発が進められています。また、高速点火方式での最大の課題である加熱効率を高めるため、いろいろな構造、材料のターゲットが提案されていますが、そのアイデアをいかに実現するか、技術開発が続けられています。

メンバー

有川 安信 准教授
重森 啓介 教授
余語 覚文 教授
椿本 孝治 准教授
山ノ井 航平 准教授
吉田 英次 特任研究員
松尾 悟志 特任研究員
奥 浩行 技術専門職員
橋本 和久 技術専門職員
高橋 圭介 技術職員
山口 智代 技術職員
本多 巧一 教室系技術職員
川崎 鉄次 特例嘱託技術職員
森尾 登 特例嘱託技術職員

 

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