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【活動報告】
出張報告:中国・桂林 The 5th Asia Pacific Laser Symposium
長島 健 大阪大学 レーザーエネルギー学研究センター レーザーテラヘルツ部門

   The 5th Asia Pacific Laser Symposium (APLS2006)に出席し、高強度レーザー励起プラズマからのテラヘルツ電磁波放射について発表した.また高強度レーザーの応用に関する情報を収集した.
   この会議は2年に1回アジアを中心に開催されており,これまでに韓国や日本でも開催されている.対象とする範囲はレーザー加工,高強度レーザー,フェムト秒レーザー,高平均パワー開発とその応用,非線形光学である.中国,日本,韓国からの参加者で占められていた.今回はポスター発表を含め160件の講演があったそうである.
   筆者の専門はテラヘルツ波分光法である.普段レーザーは使っているものの,このようなレーザー専門の会議に参加したのは初めてである.したがって初めて聞く話がほとんどで,ここで詳細を述べるほど理解できていない.しかしながら興味深い講演もいくつかあった.今回筆者は高強度レーザーを用いたテラヘルツ波発生に関する講演(タイトル:Terahertz radiation from argon clusters irradiated by intense femtosecond laser pulses)をさせて頂いたが,専門外の学会に参加していけるようになったのも連携融合事業の賜であろう.
   筆者が個人的に興味をひかれた講演はレーザーを用いて積極的に物質を加工あるいは制御するものであった.幾つかの話題について紹介する.北海道大学のグループにより繰り返し1 kHzの再生増幅システムを用いた種々のパターンの描像テクニックが紹介された.レーザー加工で作成された種々の美しいフォトニック結晶が示された.螺旋を描画できるのはレーザー加工ならではとのことであった.また京都大学の宮崎氏のグループよりプリレーザーパルスによって窒素や酸素分子の配向を制御しておいて,そこへ強いレーザーパルスを照射することで高次高調波(19次にも及ぶ)を発生させるという報告があった.
   風光明媚な桂林での開催ということで観光プログラムも充実していたようである.(筆者は残念ながら参加できなかったが) 中国の方々の熱心な対応は印象的であった.ただ敢えて難を指摘するとすればプロシーディングが見にくいこと(目的の講演を探すのがかなり手間),ポスター会場が狭すぎることがある.二月ほど前に参加した別の中国の国際会議でも感じたことなので,国柄なのかもしれない.しかし次回は日本の名古屋で開催される予定でもあり,留意したい点である.
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写真1.会場の様子.

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写真2.会場周辺の景色.
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