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【活動報告】
ASILS3出張報告
大阪大学大学院工学研究科(兼:レーザーエネルギー学研究センター) 近藤公伯

   平成19年7月2日から6日にわたり、マレーシアにて開催された「The 3rd Asian Symposium in Intense Laser Science」(ASILS3)へ出席した。このシンポジウムは、2004年に東大の山内先生主催で、東京にて第1回目が開催されたシンポの3回目にあたる。前回開催地のインドに引き続き東南アジアにおける開催となった。14カ国に及ぶアジアの国から70名程度の参加者があり、欧米で開催されるシンポジウムとは一味違った雰囲気を味わうことができた。第1日目は、学生や若手研究者を対象に、高強度レーザー科学のTutorialが、クアラルンプールから車で15分ほどのCyberjayaというマレーシアの学研都市にあるマルチメディア大学にて行われた。今回の主催者のTou先生はこの大学に所属しており、主催者の意気込みを感じることができるTutorialであった。昼食の後、本会場の地Cameron Highlandへ向けて4時間程度かけて移動した。Cameron Highlandはクアラルンプールから270kmの山奥の高地にあり、ハイウェイを降りて延々と続くヘアピンカーブを上り詰める。目的のEquatorialホテル(写真)は標高1628メートルで、ほぼ赤道の下に位置する。2日目から7月5日の最終日まで3日間シンポジウムが開催され、高強度レーザー科学に関連する様々な話題提供が行われ、終始活発な議論が行われた。中でも、韓国の勢いは印象的で、KAISTのNam先生によるキャリアエンベロープ位相のロックに関する研究は独自の工夫も取り入れられたものであり、大変印象的であった。他にもAPRIの研究は将来計画を示すだけでなく、特にレーザー電子加速の実験で、あくまでも後追いの研究ではあるが着実に進展があり、細貝先生のガスジェットを利用して400 MeVの準単色電子発生に成功していた。シンポジウム2日目は主に分子のコヒーレントコントロールに関するセッション。この日はエクスカーションにバンケットとある意味重要なイベントの日であったが、情けないことに筆者は大風邪を引きノックダウン。3日目は非線形現象やX線レーザー等々。ケベックのChin先生は相変わらず気中レーザーチャンネリングのお話。個人的には、もう少しトンネル電離や多光子電離の突っ込んだ話を聞きたかった。ともあれChin先生はマレーシア人であったということをこの会議ではじめて知った。トーマス・モック氏のフランスLOAで行った高次高調波のOFIレーザーによる増幅も印象的であった。高調波の帯域とX線レーザーの帯域のミスマッチにも関わらずきれいな増幅ビームを見せていた。4日目は朝からクアラルンプールへ移動し、解散となったが、次回は韓国のAPRIでの開催が決定している。

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写真1:会場のEquatorial Hotel
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写真2:集合写真
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