写真:ラザフォード研にて。
左よりニーリィ博士(ラザフォード研)、大道、ピロジコフ、匂坂(原子力機構)
第11回X線レーザー国際会議がベルファストのクイーンズ大学で開催された。クイーンズ大学は1908年開設の伝統ある大学であり、物理学科のキリアン・ルイス教授が会議を主催した。会場は古い階段教室であり、参加者は約80名であった。会議の内容はX線レーザーの開発、X線レーザー動作の改良、X線レーザーの利用研究、高強度レーザーをベースにしたX線発生法、高次高調波発生などであった。X線レーザーの開発では、従来からの電子衝突励起法が主流である。平板ターゲットに対し励起レーザーを斜めから照射し、利得発生領域を集中的に加熱し、エネルギー1J以下のレーザーで飽和利得に達するX線レーザーが得られている。ただ波長がいまだに10nmまでであり、短波長化は大きな課題、あるいは壁となっている。コヒーレンス向上に大きく寄与する高次高調波のX線レーザー媒質への入射(シードX線レーザー)が詳しく調べられつつある。理論的にはマックスウェルブロッホ方程式をシードX線レーザーに適用したものなども現れており、X線レーザーのフルコヒーレント化が一般化するものと期待される。