■ 学術創成成果報告書完成のお知らせ

ご挨拶

   超高強度レーザーとプラズマとの相互作用による超高エネルギー密度状態の発生とその中での物理現象を解明するため、本プロジェクトを昨年4月開始しました。大阪大学レーザー核融合研究センターで高速点火核融合研究に関連して蓄積された超高強度レーザーの制御技術、相対論レーザープラズマの診断手法及び大規模計算機シミュレーション手法を活用して、ペタワットレーザープラズマの物理を学術として開拓するのがこの研究の目的です。九州大学、姫路工業大学、摂南大学、京都大学、原研・光量子科学研究センター、核融合科学研究所、宇都宮大学、及びネバダ大学レノ校や北京・物理学研究所等の共同研究グループの協力を得て研究を進めております。
 レーザー実験においては、既設の100J級の激光MU号レーザーの改良を開始しました。すなわち、より広帯域の増幅をプレパスルなしでおこなうためのOPCPAの導入や誘電体回折格子を用いた高出力化等により、100TW超級の“クリーンなレーザーパルス”の発生を目指しております。平成16年度中には第一期の改良を完了し、プラズマ実験を開始する予定です。プラズマ実験では、コーンターゲットを用いるエネルギー密度の増幅実験、多層膜多段加速による単色高輝度イオンビームの発生実験、超高電子流の自己組織化実験等を進めています。
 一方、理論・シミュレーションでは、輻射流体シミュレーションコード;PINOCO,相対論的フォッカープランク(F.P.)コード、粒子と流体のハイブリットコード及び集合粒子コード(CPICコード)を統合して多階層のペタワットレーザープラズマの物理現象を解明する統合シミュレーションシステムを構築しつつあります。その第一歩として、PINOCO,F.P.コードとCPICコードを一次元の範囲で統合したシミュレーションのテストランに成功しました。
 今後実験結果のシミュレーションによる解析を進めて、ペタワットレーザープラズマの総合的理解に努めたいと思っております。これからも御指導、御支援お願いいたします。

大阪大学レーザー核融合研究センター

三間 圀興       

 

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