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ごあいさつ


レーザーは多くの分野で使用されていますが、そのレーザーの性能は使用されている光学素子の性能、 特に損傷をどれだけ受けにくいかという損傷耐力に依存します。我々の研究室では、高出力レーザーに用いられる光学素子の 性能を向上させるために、レーザーによる光学素子の損傷機構の研究を軸として、高性能光学素子の研究を行っています。

レーザー損傷機構の研究
 [レーザー損傷に関わる物性研究と損傷評価法の開発]
従来から継続してパルス幅がナノ秒やピコ秒のレーザー装置によりレーザー損傷耐力を評価し、 各種の光学素子材料の内部や表面・光学薄膜や光ファイバーのレーザー損傷評価を行ってきました。 最近では温度により、材料内部や表面、光学薄膜の損傷耐力が大きく変化することを見いだし、 その機構を解明する努力を行っています。その他、パルス幅がフェムト秒のレーザーによる損傷評価も計画しています。

大型高性能光学素子の開発
 [新規成膜法の開発と大型回折格子・偏光素子開発]
世界最大の対角1mの高精度大型回折格子を国内、国外のメーカーと協力して熱膨張の小さい石英基板上に作成することに成功しました。 この回折格子は従来の大口径ビームを用いた露光法とは異なり、小口径ビームによる逐次走査露光法を世界に先駆けて採用しており、 従来よりも1桁高い溝密度精度が得られています。現在はより難度の高い偏光素子開発を進めています。

高耐力光学薄膜の開発研究
 [光学薄膜の性能向上と新規成膜法の開発]
光学薄膜の性能向上を目指し、新規成膜法の開発を行っています。真空蒸着法や原子層堆積法、ゾルゲル法などの方法により 新しい機能性を持った光学薄膜を目指しています。

新規レーザー材料の探索
励起光を効率よく吸収するレーザー素子や、新しい波長領域で発振するレーザー材料の開発を試みており、 基礎的な物性測定を進めています。

レーザーの産業応用研究
 [レーザーによる太陽電池成膜および環境応用技術の開発と レーザーカラーマーキングおよび超微細マーキング法の開発]
レーザーの普及には基幹となる応用分野が必要であることから、レーザーの産業応用として低コストの半導体レーザーを使用し、 樹脂表面などにカラーで消えることのないマーキングをしたり、目には全く見えない20ミクロンサイズの文字を書いたりする 技術の開発を企業と協力して進めています。
また、現在の太陽電池のコストが高すぎることから、レーザーを用いて太陽電池用薄膜を焼結する方法により太陽電池のコストを 1桁下げる成膜法の研究を行っています。最近ではこの太陽電池の応用を検討することから生まれた自然エネルギーを用いた海水の淡水化法により、 沙漠などの乾燥地帯で長期にわたって灌漑農業を営める低コストの装置が出来つつあり、 日本の海外支援として広く普及させることを考えています。

我々の研究室は、レーザー素子開発のための物性研究を中心として、超高強度レーザーのための基盤技術開発を進めています。 また、レーザーの産業応用として、インパクトの大きい低コスト太陽電池の成膜法や世界の乾燥地に農業を定着させる 淡水化法のシーズを育てており、意欲のある学生諸君や企業の参加を歓迎します。

2010年4月14日  特任教授 實野 孝久