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身近な流体不安定性

レイリー・テイラー不安定性

ケルビン・ヘルムホルツ不安定性

リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性


レイリー・テイラー不安定性

 ある密度の異なる2つの流体が、ある界面で接触していて、密度の大きい流体から密度の小さい流体に力(重力など)が働いていて、その界面に微小な擾乱(凹凸)が存在すれば、その擾乱が成長するような現象が起こる。これが、レイリー・テイラー不安定性と呼ばれるものである。

<身近な例>

逆さにした水の入ったコップ

 水の重さが空気の圧力によって支えられ、水と空気の間の境界が平衡状態にあるとしても、これは不安定な状態である。表面のどんなシワも、重力場中ではポテンシャルエネルギーを浪費して成長する傾向をもつ。

油の上に水をのせた状態

 油は水よりも密度が小さく、重力が水から油の方向に作用しているため、擾乱の成長が見られる。はず!!

ヘビ座のなか、7000光年の距離にあるワシ星雲。−>実験室宇宙物理

 背後にある熱く大きな星からの強烈な紫外線にさらされ、柱を構成する物質を熱して蒸発させている。(アブレーション)

太陽内部。地球内部。超新星外皮He-H境界付近。−>実験室宇宙物理


このような不安定性は、流体力学でよく知られるように、重い流体を軽い流体で支えている時、いつでも起こる。
ケルビン・ヘルムホルツ不安定性

 密度が不均一な流体の各層、簡単にいうと密度の異なる流体が、それぞれ異なった速度で水平方向に運動する場合、流体は密度分布と渦度分布の両方の影響を受けて異なる流体の接触界面が不安定となる。これが、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性と呼ばれるものである。

<身近な例>

流れの速度の異なる2つの川の合流地点

 合流面でわずかでも擾乱ができるとそれぞれの流体の側から見れば、凹の部分は流速がやや速めに、凸の部分は流速がやや遅めになり、ベルヌーイの定理により、流速の速いところでは圧力は低く、逆に流速の遅いところでは圧力は高くなる。この結果、圧力勾配が生じ擾乱が成長する。

水槽に密度の異なる流体を入れての実験

 細長い矩形の水槽に密度の異なる二種類の流体(例えば、真水と塩水)をいれてしばらく置くと、水平面を境として軽い流体が重い流体の上に重なる。この水槽をわずかに傾けると、重い流体は下方に、また軽い流体は上方に流れ出すので境界面に平行に速度のずれが生じて、ケルビン・ヘルムホルツ不安定性が発生する。

木星の縞模様の縞と縞の間の部分。−>実験室宇宙物理
 



リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性

 密度の異なる2つの流体の接触界面に、わずかでも擾乱がある場合、その界面に衝撃波が伝播すると擾乱が成長する。これが、リヒトマイヤー・メシュコフ不安定性と呼ばれるものである。

<身近な例>

レーザー爆縮過程の希薄波相

超新星爆発。−>実験室宇宙物理

太陽系の星。−>実験室宇宙物理


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2000.3.29 T.Sakaiya