現在のメタマテリアルの一つの技術的課題は,レンズやプリズム形状などを構成するための3 次元構造を作製することです。これに対しテラヘルツ波領域では,特に2
次元平面のメタマテリアルが将来のテラヘルツ波を使ったシステムの構築に重要な役割を果たすことが予想されます。
テラヘルツ波領域のメタマテリアルは2 次元平面構造であっても電磁場に対して十分な応答を持ち,単層であるためロスもほとんど問題になりません。また,半導体上に作製することで,光学的,電気的に応答の変調も可能です。半導体基板上にメタマテリアルパターンを作製する場合,テラヘルツ波領域で動作する2次元メタマテリアルパターンは数ミクロン幅の金属線からなるので,フォトリソグラフィで高精度に作ることができます。
しかしマスクの作製やリフトオフなど多くの工程が必要で,少量のパターンを多種類作るには適していません。そこでマイクロエレクトロニクス用に開発されてきた超微細インクジェット工法(Super-Fine
Ink-Jet Printing, SIJ Printing)を,テラヘルツメタマテリアル作製へ応用する研究を行っています。SIJ 工法は,描画とインクの焼結という簡便な工程だけで,フォトリソグラフィに匹敵するミクロン幅の金属線を半導体や高分子フィルム表面に描画することができ,多様なメタマテリアルパターンをスピーディに作ることができます。 |