レーザー核科学(NS)
グループの概要
NSグループでは、核融合プラズマから発生する中性子やガンマ線を主な研究対象として、計測器開発並びに核融合プラズマ計測を行っています。またLFEXや計画中の激光エクサレーザーを物質に照射した際に生成するX線、電子、陽電子、イオン、中性子などを計測し、これらを光源として利用して超新星爆発など宇宙空間でしか起らないような核合成反応に関する研究も行っています。
研究内容
1.中性子・ガンマ線計測器の開発
- 核融合中性子計測
大型の中性子計測器MANDALAを用いて核融合プラズマから発生する中性子のスペクトルを計測し、イオン温度や密度を計測します。高速点火核融合で発生する高強度X線の存在下でも確かな計測が出来るよう、計測器の改良を行う事も重要な研究対象です。近年液体性のシンチレーターが開発されその性能が実証されました。液体シンチレーターを用いた中性子計測器の開発も重要な研究テーマです。多チャンネル中性子スペクトロメーターMANDALA(左)と
液体シンチレーター中性子タイムオブフライト計測器(右) - 低エネルギー中性子スペクトル計測
核融合散乱中性子計測や核科学実験にとって1MeV以下の中性子を計測する事は重要な研究課題です。近年阪大と熊本大学などの共同研究で開発されたリチウムガラス製のシンチレーターを用いて計測器開発を行っています。新開発リチウムガラスシンチレーター(左)と、シンチレーターアレー(右)
- ガンマ線スペクトル計測器
高速点火核融合実験や核科学実験に取ってガンマ線のスペクトル計測は重要な研究課題です。そのための計測器開発を行っております。
2.核科学研究
宇宙に存在する鉄よりも原子番号の大きい元素はSプロセス、Rプロセス、Pプロセス、RPプロセスなどを介して合成されたと考えられています。特に宇宙空間と同じような高温度下や、高放射線場での元素合成反応を地上で実験的に行う事は困難なため、これまでの研究データは十分では有りません。しかしLFEXレーザーを用いれば宇宙での元素合成反応を地上で再現する事が可能です。本研究ではLFEXを用いて短時間・微小空間から高フラックスの中性子やガンマ線を発生させこれら宇宙で起っている元素合成反応についての研究を行っております。
メンバー
中井 光男 | 教授 |
余語 覚文 | 准教授 |
安部 勇輝 | 特任研究員 |