宇宙衝撃波と粒子加速の物理学
超新星残骸や活動銀河核、太陽フレアなどの衝撃波の波面では荷電粒子が相対論的なエネルギーにまで加速され、それが高エネルギー宇宙線の起源にもなっていると考えられています。しかし、多数の理論研究がなされているにもかかわらず、実験的検証がありません。そこで我々は高出力レーザーで衝撃波を生成・計測し、衝撃波の構造や、粒子加速の物理、磁場の生成機構などの解明を目指しています。
超新星残骸や活動銀河核、太陽フレアなどの衝撃波の波面では荷電粒子が相対論的なエネルギーにまで加速され、それが高エネルギー宇宙線の起源にもなっていると考えられています。しかし、多数の理論研究がなされているにもかかわらず、実験的検証がありません。そこで我々は高出力レーザーで衝撃波を生成・計測し、衝撃波の構造や、粒子加速の物理、磁場の生成機構などの解明を目指しています。
無衝突衝撃波とは、粒子の平均自由行程が衝撃波面の厚さにくらべて非常に長いために粒子同士の衝突がほとんど起こらないプラズマ中での衝撃波のことです。 宇宙空間には低密度で高温なプラズマが多くみられ、観測される衝撃波はほとんどこの無衝突衝撃波になります。 空気中のように粒子の衝突が非常に頻繁な気体中では、粒子間の衝突により粒子の 散逸が起こりますが、無衝突プラズマ中では、そこで作られる電場や磁場によって 粒子の散逸が起こり、衝撃波が生成されます。
我々は、大阪大学レーザー研の激光XII号レーザーや、フランスEcole Polytechnique、中国上海などの高強度レーザーを用いて実験しています。
1nsecほどの短い時間に数100J~1kJものエネルギーをレーザーで生成し、1mm以下の領域に照射することで秒速1000kmにも及ぶ高速プラズマ流を生成します。(図1)