IoTを活用した「新しいモノづくり」がIndustrie 4.0(ドイツ),Industrial Internet(米国),日本では第5期科学技術基本計画にあるSociety 5.0の一部として提唱され,製造業の形態を大きく変える動きが本格化しています.スマート工場でのマスカスタマイゼーション(個別大量生産)の実現や,サイバー空間で行う受発注システムなどが想定されており,高性能半導体・通信デバイスの新たな巨大市場が期待されています。 その一例として,IoT用機器にガラス複合材の多層プリント基板が導入されることを想定し,マイクロビア(微小穴)加工を吸収効率・集光性に優れた深紫外レーザー(波長266nm)によって進めることが求められています.現在,大阪大学で1993年に発見された非線形光学結晶CsLiB6O10(CLBO)の高品質化に世界で初めて成功し,株式会社創晶超光を起業して半導体検査分野での応用展開を進めています。一方,加工分野では超高出力化が不可欠となりますが,現在の結晶ではレーザー損傷や非線形吸収が生じるため対応できない状況です。そのため,本研究室では結晶欠陥のさらなる低減に取り組み,産学連携を通して世界に先駆けて高出力深紫外レーザーの加工機の実現を目指しています。同時に,レンズや窓材といった光学材料も高レーザー損傷耐性化することが求められており,独自材料の開発やレーザー評価なども行っています。
参画プログラム NEDO高輝度・高効率次世代レーザー技術開発プロジェクト
NEDO 高品位レーザー加工技術の開発
NEDO Development of a High Quality Laser Processing Technology
現在のメタマテリアルの一つの技術的課題は,レンズやプリズム形状などを構成するための3 次元構造を作製することです。 これに対しテラヘルツ波領域では,特に2 次元平面のメタマテリアルが将来のテラヘルツ波を使ったシステムの構築に重要な役割を果たすことが予想されます。 テラヘルツ波領域のメタマテリアルは2 次元平面構造であっても電磁場に対して十分な応答を持ち,単層であるためロスもほとんど問題になりません。 また,半導体上に作製することで,光学的,電気的に応答の変調も可能です。半導体基板上にメタマテリアルパターンを作製する場合, テラヘルツ波領域で動作する2次元メタマテリアルパターンは数ミクロン幅の金属線からなるので,フォトリソグラフィで高精度に作ることができます。 しかしマスクの作製やリフトオフなど多くの工程が必要で,少量のパターンを多種類作るには適していません。 そこでマイクロエレクトロニクス用に開発されてきた超微細インクジェット工法(Super-Fine Ink-Jet Printing, SIJ Printing)を, テラヘルツメタマテリアル作製へ応用する研究を行っています。SIJ 工法は,描画とインクの焼結という簡便な工程だけで, フォトリソグラフィに匹敵するミクロン幅の金属線を半導体や高分子フィルム表面に描画することができ,多様なメタマテリアルパターンをスピーディに作ることができます。
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