出張報告:ルーマニアELI-NP出張報告(大阪大学・民井 淳)
国際共同研究報告:ルーマニアELI-NP研究所にて超高エネルギー宇宙線の光核反応研究に関するデータ解析とセミナーを開催
超高エネルギー宇宙線の光核反応研究を調べる実験研究(PANDORAプロジェクト)をルーマニアELI-NP研究所との共同研究にて進めています。2023年10月18日から29日の期間、大阪大学核物理研究センターのサイクロトロン施設の陽子ビームを用いた共同実験にてPANDORAのプロジェクトの最初のデータを取得しました。実験の成功後ELI-NP研究所に出張し、現地グループが行うデータ解析のセットアップと初期のデータ解析作業を共同で進めました。また、ELI-NP研究所にてプロジェクトに関するセミナーを開催して広く宣伝するとともに、今後の計画に関して議論を行いました。今回取得した12,13C, 10,11B, 27Alのデータ解析を進め、光核反応を明らかにすることに並行して光書く新たな実験課題を大阪大学核物理研究センターに申請する予定です。また、ELI-NP研究所においてレーザーコンプトン(LCS)ガンマ線を生成するための電子加速器・ストレージリングの建設の状況を視察しました。ガンマ線生成装置の建設が進み課題公募が行われる段階で、PANDORAプロジェクトのための共同利用課題申請を行う予定です。
PANDORA Project White Paper: A. Tamii et al., Eur. Phys. J. A (2023) 59:208
DOI: https://doi.org/10.1140/epja/s10050-023-01081-w