JSPS研究拠点形成事業:パワーレーザーの国際連衡による超域プラズマ科学の国際研究拠点

拠点形成事業のアメリカ拠点機関であるローレンスリバモア国立研究所よりBruce Remigton博士が来日され、4月27日にレーザー研コロキウムの一環として講演をしていただきました。 [gallery columns="2" size="medium" ids="1861,1860"] ——– ○講演者(Speaker): Dr. Bruce Remington (Lawrence Livermore National Laboratory, USA) ○題目(Title): New regimes of high energy density science on the National Ignition Facility ——– 国立点火施設(NIF)のDiscovery Scienceプログラムに関する興味深い講演をしていただきました。 このプログラムを通じた国際共同研究により、レーザー宇宙物理学を中心にさまざまな成果が得られており、今後も多くの研究提案を期待しているとのことでした。

2026年4月21日から24日にかけてパシフィコ横浜で開催された、光・量子ビームの国際会議「OPIC2026」に参加しました。私はその中でも、極限状態の物理を宇宙物理学の解明に繋げる「HEDLA(High Energy Density Laboratory Astrophysics)」セッションを中心に活動しました。 HEDLAでは、世界中から著名な研究者が集まり、高出力レーザーを用いた無衝突ショックや磁化プラズマのダイナミクスについて熱い議論が交わされました。特に印象深かったのは、UCLAのDerek Schaeffer氏による磁化無衝突ショックにおける電子加熱の発表です。ショックを横切る際にエネルギーがどのように分配されるのか、断熱的な変化と散逸のプロセスを、最新の計測データと理論を対比させながら論じる姿は非常に刺激的でした。また、LULIのA. Triantafyllidis氏によるゼーマン分裂を用いた磁場計測の報告など、天体現象を「実験室で模倣(mimic)」するための高度な診断技術についても多くの示唆を得ることができました。 ポスターセッションでは、大阪大学レーザー科学研究所の「激光XII号」を用い、窒素ガス中での無衝突ショック生成実験の結果を報告しました。シュリーレン計測によるショックフロントの同定、および協同トムソン散乱(CTS)計測を用いたプラズマパラメータ(密度・温度・流速)の空間プロファイル解析について述べ、低圧条件下(1 Torr)において高エネルギーイオン成分が生成される圧力依存性を明らかにしました。質疑応答を通じて、自身の研究課題に直結するフィッティング手法や計算アルゴリズムについて、他機関の研究者と深い議論を行うことができました。特に、プラズマ分散関数のフィッティングにおけるScipyの活用やといった実務的なアドバイスは、今後の解析作業に反映できる貴重な収穫でした。 また、プレゼンテーションの技術面においても、進捗状況を視覚化するスライド構成や、主張を明確に伝えるキャプションの配置など、国際舞台で「読ませる・魅せる」ための工夫を多く学ぶことができました。 今回の会議を通じ、「Collisionless Shocks(無衝突ショック)」という複雑な現象を理解するためには、精緻な実験とシミュレーションの「Strong agreement(強い一致)」が不可欠であることを再認識しました。ここで得た、流体力学的な視点から相対論的な物理に至るまでの幅広い知見、そして世界各国の研究者とのネットワークを糧に、自身の研究においても、説得力のある成果を目指して邁進していきたいと考えています。

(大阪大学大学院・理学研究科 北 大空)

  ポスター発表では、高出力レーザーによる三段階イオン加速について発表を行った。関連知識を持っている人から、初学者の人まで、多岐にわたっていたので、それに対応した説明をすることが難しく感じた。また、英語で説明することにも少し苦労した。しかし、説明することで自身の研究を再び見直すことができ、より深い理解につながったと感じた。また、5日間にわたり多数の発表を聴講する中で、新たな知見を得るとともに研究への関心も一層高まり、大変有意義な時間であった。

(大阪大学大学院・理学研究科 土橋 凛太郎)

[gallery columns="1" size="medium" ids="1848"] 2026年4月に横浜で行われた「HEDLA 2026」に参加し、現在取り組んでいる、無衝突衝撃波同士の衝突に関するシミュレーション結果について、ポスターセッションで発表した。 国際会議ということもあり、英語での対話に苦戦した。今後はこの経験を活かして、より準備に力を入れたい。

(大阪大学大学院理学研究科 谷郷龍夏)

4/19-24の日程で、横浜にて行われたFiMECミーティングと国際会議OPICに参加しました。OPIC会議中は基本的には高エネルギー密度実験宇宙物理学(HEDLA)で講演を聴講し、ポスター発表もHEDLAで行いました。私の専門領域は高強度レーザーを用いた高温高圧実験で実験宇宙物理は隣接領域なので、会議を通して実験や計測、解析手法など参考になるものが多くありました。 大学に入ってから横浜に来るのは初めてでした。みなとみらいの整った街並みは、想像していた東京圏の喧騒とは異なり、ストレスなく過ごすことができました。来年も参加したいと思います。

(大阪大学大学院工学研究科・竹歳加偉)

  4/20-24で開催された国際会議HEDLA/HEDS 2026: International Conference on High Energy Density Laboratory Astrophysics and High Energy Density Scienceに参加しました. 私は”The Hugoniot temperature of nanopolycrystalline diamond”のタイトルでポスター発表を行い, Federica Coppari氏などの研究者と有意義な議論を行うことができました. 口頭発表では, レーザーショックや核融合といった分野の他にも, 宇宙線計測や磁気リコネクションなど, HEDLAに関連する幅広いテーマの講演があり, 普段触れる機会少ない分野を知る良い機会となりました. また, 展示ホールで開催されていたOPIE’26では, 光に関する最先端技術, 製品が展示されており, 非常に魅力的な展示が多く, 時間内に見て回れないほどでした. 今回の会議で得られた知見や刺激を今後の研究に活かし, 引き続き研究に取り組んでいきます.

(大阪大学大学院工学研究科・山形直毅)

[gallery size="medium" ids="1836,1839,1834"] 4月20-24日にかけて開催されたHEDLA/HEDSに参加しました。会議は主に実験室宇宙物理関係の発表で、専門とは違う内容ばかりだったのでとても新鮮でした。WDMのセッションではNIFやZ machineでの実験の発表がありました。GEKKOではやっていないような計測を取り入れており、自分たちも新しい計測を積極的に取り入れいかなければと思いました。 OPICと同時にOPIEという展示会も開催されており、そちらにも足繫く通いました。レーザーや光学素子、結晶についてなど様々な企業が展示をしており、とても勉強になりました。また、開催されたすべてのバンケットに参加し、学生から教員の方まで多くの人とお話しすることができました。専門や年齢問わず様々な人から刺激をもらうことができたので、今後も懇親会には参加していきたいなと思いました。 横浜に行くのは今回が初めてで、夜は海辺を散歩したり満喫できました。横浜中華街で食べた料理がとてもおいしく、人生で初めてのターンテーブルで感動しました。ただ、とにかく麻婆豆腐が辛くてびっくりしました。さらに辛口ものもあるみたいなので来年は挑戦しようと思います。

(大阪大学大学院工学研究科・古川涼介)

開催報告 "International Conference on High Energy Density Laboratory Astrophysics (HEDLA) and High Energy Density Science (HEDS)" 2026年4月20日〜24日 @パシフィコ横浜   2026年4月20日から24日にかけて、パシフィコ横浜において、高エネルギー密度実験室宇宙物理学(HEDLA)および高エネルギー密度科学(HEDS)に関する国際会議が開催されました。HEDLAは、アメリカ・ヨーロッパ・アジアの持ち回りで2年に一度開催されている国際会議であり、日本開催は2018年の倉敷開催に続いて2回目となります。今回は、例年開催されているHEDSとの合同開催として実施されました。 会議には130名を超える研究者が参加し、34件の招待講演、39件の口頭講演、52件のポスター講演が行われました。海外からの参加者は約80名にのぼり、国際色豊かな会議となりました。 本会議の大きな目的は、天文学研究者と実験プラズマ研究者との交流を深め、新たな共同研究のきっかけを作ることにあります。今回は特に、以下の3つの新しいトピックを取り上げました。 第一は、X線観測衛星XRISMによる高分解能X線分光観測の最新成果です。天体観測で得られるスペクトルの解釈には、実験室でのライン同定研究が重要な役割を果たしており、観測と実験を結びつける実験室宇宙物理学の特徴がよく表れたセッションとなりました。 第二は、キロノバ(中性子星合体現象)における元素合成過程の研究です。このテーマでは、観測、理論、原子核反応実験が密接に連携して研究が進められており、分野横断的な研究の広がりを感じさせる内容となりました。 第三は、最高エネルギー宇宙線「アマテラス粒子」の観測に関する講演です。宇宙線の粒子加速機構を理解することの重要性が改めて認識される内容であり、実験室プラズマ研究との関連についても活発な議論が行われました。 [gallery columns="2" size="medium" ids="1878,1876"] これら以外にも、実験室プラズマや天体プラズマに関する最新成果が多数報告され、会議期間を通して非常に活発な議論が展開されました。また、ポスター発表の時間を十分に確保したことで、ポスターセッションでも多くの交流と議論が生まれました。 レーザー宇宙物理学には、現在もなお多くの興味深い未解決問題が残されています。今後は大学院生をはじめとする若手研究者の参加をさらに促進しながら、レーザー宇宙物理学を一層発展させ、超域プラズマ科学の国際研究拠点作りを進めていと考えています。 拠点形成事業の、アメリカ拠点機関であるローレンスリバモア国立研究所よりBruce Remigton博士が来日されます。4月27日にレーザー研コロキウムの一環として講演をしていただきます。是非ご参加下さい。 ———- ———- ———- ———- –Date– 2026年4月27日(月) 10時30分~12時00分 –Place– レーザー科学研究所 研究棟3階 大会議室 (R302) –Speaker– Dr. Bruce Remington Lawrence Livermore National Laboratory –Title– New regimes of high energy density science on the National Ignition Facility –Abstract– Results from NIF Discovery Science will be presented. Examples include nuclear reactions relevant to stellar nucleosynthesis. [1] Equations of state at extreme pressures relevant to planetary and exoplanet interiors are being measured. [2] Studies of Rayleigh-Taylor instabilities at high Reynolds number, relevant to supernova explosions, are being studied. [3, 4] Experiments to study magnetic reconnection at HED conditions have been done. [5] High velocity, low density interpenetrating plasmas that generate collisionless astrophysical shocks, magnetic fields, and that accelerate particles relevant to cosmic ray sources are also being studied. [6] NIF experiments have demonstrated strong suppression of heat conduction in a replica of galaxy-cluster turbulent plasmas. [7]. Experiments relevant to turbulent star formation dynamics are underway on NIF. [8, 9] And relativistically hot plasmas are being generated and studied on the NIF ARC laser. [10] [1] D.T. Casey, Frontiers in Physics (2023). [2] T. Döppner, Nature (2023). [3] J.P. Sauppe, PRL (2020). [4] S.R. Nagel, PoP 2017, PoP 2022. [5] V.V. Valenzuela, PoP (2024). [6] F. Fiuza, Nat. Phys. (2020). [7] J. Meinecke, Sci. Advances (2022). [8] S. Davidovits, PRE (2022). [9] S. Dhawalikar, MNRAS (2022). [10] G.J. Williams, PRE (2021). 別業務でパリでApollon laserを使った共同研究の打ち合わせと装置の見学の後、拠点事業の業務でドイツ・ハンブルグのEuropean XFELを訪問しました。フランスでは電車に乗るときはチケットを買ってアクティベートかチケットがないと入れないゲートがありますが、ドイツはチケットを買ってもアクティベートするところもゲートも無く、文化の違いを感じました。パリのスーツケースを開けられるか開けられないかの極小の部屋と比べると、ハンブルグのホテルの部屋は広くて快適でした。 今回の目的は、European XFELが動き始めるか始めた頃に、私がどこかの国際会議で宇宙線加速模擬実験について講演した際、European XFELの紹介の講演をしたSakura Pascarelliが、食事で一緒になった際にXFELで私の実験の何かが測れるかもって話をしたのがきっかけでした。その後何度かメールして実験提案を勧められましたが、なかなかそこまで共同研究を広げられずにいました。今回は、長年の心残りを実現するために、European XFELで、"Relativistic ion acceleration with intense lasers"というタイトルでセミナーをして、XFELで何ができるかを議論しました。また、XFELの実験ハッチの見学と、400 TWの超高強度レーザーと100 Jのパワーレーザーを見せてもらいました。非常に充実した施設で、しかもスタッフも充実しており、今後はレーザーフュージョンのラインとレーザーも入るらしく、勢いを感じました。写真はレーザーフュージョンのラインが入る予定のトンネル。Desyのあるトンネルの反対側からチャンバー等を入れて、3 km離れたEuropean XFEL側まで押してくるそうです。 [gallery columns="1" size="medium" ids="1759"] 今回の議論は得るものが多く、フランスから足を伸ばした甲斐があったと思いながら帰路についたんですが、帰りの飛行機に乗ってから、なかなか飛ばないと思ったら、一旦降りろと言われ、降りたらすぐに消防車が何台も出動して飛行機を取り囲む感じになりました。最近ニュースで聞く、モバイルバッテリーが燃えたのかと思ったんですが、何時間か後に換気扇のトラブルとアナウンスがあって、さらに何時間してからやっと同じ飛行機で乗り継ぎのヒースローに向こうことができました。ヒースローに着いた時にはすでに乗り継ぎ便は出ており、ロンドンに一泊して次の日の便になりました。それだけでもショックなのに、荷物も出てこないし、またロストかと思っていたら、カウンターの職員によると次の日の便のところに自動で行ってしまっているとのこと。今日の着替えをどうするんだと聞いたら、1日くらいひっくり返して着たらとマンガのような回答が返ってきました。結局また結構待たされて荷物をピックアップして、ホテルに向かいました。とっても大変でしたが、久しぶりにEnglish Brekfastを食べられたからよしとしようと思っていたんですが、帰国後、長い長い移動で休みが潰れたせいか、年のせいなのか、月曜は大学に出たものの頭痛がひどく、結局火水とお休みとってこれを書いているところです。 [gallery columns="1" size="medium" ids="1760"] 2026年3月、フランスにおいてLULIでの研究交流およびApollonの施設見学を行った後、Montgenèvreで開催された国際ウィンタースクールMECMATPLA 2026に参加しました。 LULIでは、一緒に見学に参加した方の発表をきっかけとして、受け入れてくださった現地の研究者の方から、発表で用いられていた磁場計測用の偏光カメラを来年度の実験で使用したいという話があり、今後の実験参加につながる約束が生まれました。その様子を見て、研究者同士のつながりがこのように広がっていくのだと実感しました。写真1は、研究交流の際の議論の様子です。また、Apollonの見学では、高強度レーザー施設の整備状況や実験環境を直接知ることができ、海外研究施設を具体的にイメージする貴重な機会となりました。 [gallery columns="1" size="medium" ids="1823"] ウィンタースクールでは、特にイオン加速に関する講義が印象に残りました。私は普段、主にレーザーを用いたイオン加速に関わる内容に触れていますが、講義を通して、それ以外にもさまざまなイオン加速の方式があり、それぞれ異なる原理や装置によって研究が進められていることを知りました。自分がこれまで触れてきた内容を、より広い研究分野の中で位置づけて考えることができた点は、大きな学びでした。また、写真2はウィンタースクールでのポスター発表の様子であり、国際的な場で自分の研究について説明し、議論する貴重な経験となりました。 また、ポスター発表では、装置がどのように配置されているのかを質問されました。ポスターに図は載せていましたが、その構成を立体的にわかりやすく説明することの難しさを実感しました。この経験を通して、自分の研究内容や装置構成をより明確に伝える力を、今後さらに高めていきたいと感じました。 さらに、滞在中にはルームメイトであったドイツの学生と英語で会話する機会があり、実際にやり取りできたことは自分にとって大きな経験となりました。これまで強かった英語への苦手意識も、以前より少し和らいだように感じています。 [gallery columns="1" size="medium" ids="1819"] 今回の研究訪問およびウィンタースクール参加は、研究分野に関する知識を広げるだけでなく、国際的な研究交流や今後の研究活動について考えるうえでも、非常に有意義な経験となりました。今後は、この経験を研究活動や国際的な場での発信に活かしていきたいです。

(福井大学大学院 工学研究科・早川萌詩)

  3/8-13の日程でフランス、モンジュネーブルで開催されたウインタースクールMECMATPLAに参加してきました。このウインタースクールでは、アルプスのスキーリゾートで合宿して朝・晩は講義(もしくはポスター発表)、昼はスキーで脳みそも身体も追い込み、交流を深めることができます。 現地までは、飛行機でミラノまで飛び、鉄道でイタリアの国境付近にあるウルクスまで移動し、最後はバスでフランスに渡る予定でした。一緒に参加した兒玉研(現尾崎研)メンバーとともに順調にウルクスまで行き、電車を降りたつもりでした。しかし、後輩古川が電車に鞄を置き忘れるというあり得ないミスを犯しました。さらに、その鞄にはパスポートとパソコンが入っているというのです。我々はタクシーを乗り回し、電車を追いかけ鞄を探し回りましたがその日には見つからず、深く落ち込みながらモンジュネーブルの宿舎に向かいました。・・・と書きたいところですが、「面白いことが起こった」というのが正直な感想でした。ことの顛末は古川レポートを参照してもらいたいと思います。 さて、スクールの内容としては、James Webb宇宙望遠鏡のトークから始まり、どの講演でも業界最前線の研究結果を聴くことができました。Warm Dense Matterのセッションでは、兒玉研のポスドクであるアレキシも発表しました。この内容の1/3程度が私のC―H―Oポリマーをレーザーショックしてダイヤモンドを生成する実験結果に関するもので、会場につく道中や、食事の時間に研究の内容を議論するなどしていました(私は同じC―H―Oポリマーの内容をポスター発表しました)。 日中のスキーでは、晴れの日が多く、山頂からは壮大な景色が広がっていました。ポスター発表の日に滑っていたコースが通行止めになっており、急遽最難関コースを滑り落ちることになったりして、大変な日もありました(コースを変え、ぎりぎりポスターの時間には間に合いました)。スクールを通してスキーの技術は向上した(と信じたい)一方で、脚の疲労は確実に蓄積し、一日の最後にはハの字で滑るのが精一杯という状況で、もう二年くらいスキーはいいかなと思っています。

 (竹歳加偉・大阪大学レーザー科学研究所)

[gallery columns="1" size="medium" ids="1753"] フランスで開催されたMECMATPLAに参加しました。午前中及び夕方に行われた講義では、WDMや惑星科学、核融合など様々なプラズマ関連の講義を聞くことができ、勉強になるとともに、かなり刺激を受けました。また、ポスター発表では“The Hugoniot temperature of nanopolycrystalline diamond”のタイトルで発表を行い、Peter Celliersなど、様々な研究者と議論を行うことができ、大変有意義な時間となりました。 講義の隙間時間にはLFグループの木村君やQSTの福田さん等、様々な方とスキーを滑ることができ、最終的にはほとんどの山の頂上を制覇することができました。特にイタリアとフランス国境の山の頂上に行ったときは快晴で、とても景色が良かったこともあり、かなり達成感がありました。 会議の道中では、後輩の古川が鞄を電車の中に置き忘れたり、帰り道の電車が続々と運休になり、ミラノまで中々帰れなかったりといったハプニングのほかにも、念願であったイタリアのピザ、パスタを食べることができるなど、様々な経験をすることができました。このような貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

(山形直毅・大阪大学レーザー科学研究所)

[gallery columns="2" size="medium" ids="1752,1751"] 海外に行くのは高校の修学旅行で台湾に行った以来で、久しぶりの海外でした。ヨーロッパには行ってみたいと日頃から思っており、少々浮かれていました。その結果、空港から開催地まで行く道中でパスポートをなくしてしまうという大失態を犯してしまい、多くの人にご迷惑をおかけしてしまいました。大変申し訳ございませんでした。ウェルカムレセプションで食べたご飯の味は思い出せませんがお酒はいっぱい飲みました。次の日に警察に行ってみると、なんと駅に届いているという報せがあり、往復4時間程度かけて荷物を取りに行きました。こうして一日遅れで私のMECMATPLAが始まりました。 開催地はフランスとイタリアの国境付近に位置するスキーリゾート地で、初めて見るような雪景色や壮大な山々で感動しました。講義は専門としているWDMや核融合、計測システムについてなど非常に興味深い内容ばかりでした。また、国内外の若手研究者と交流する機会にも恵まれ非常に刺激を受けました。特にポスターセッションでは多くの方がアドバイスをくださり、新たな視点を得ることができました。昼休憩が長時間設定されており、みんなでスキーを楽しみました。所々に断崖絶壁があってミスれば死ぬかもなと思いながら必死に滑りました。最後になりますが、このような貴重な機会をいただきありがとうございました。今回の経験を糧に精進します。

(古川涼介・大阪大学レーザー科学研究所)

フランスのモンジュネーブルで3/9-3/13の間に開催された6th Matter in Extreme Conditions for Magnetized PLAsmas (MECMATPLA)に参加し、瀧澤が”Enhancement of J×B acceleration in conjection with the structured target and ultra-high contrast laser”、木村が”Measurement of focal point vibrations in large scale laser equipment and prediction and active mitigation by using machine learning”という題目でポスター発表をした。 レーザー核融合から宇宙物理学まで多岐にわたる興味深い内容の発表があり、レーザープラズマ物理学の最先端研究の動向を知ることができた。これは今後の研究を進めていくうえで欠かせない知見であり、今後の研究に活かせるアイディアをいくつも発想することができた。また、ポスターセッションでは自分たちと年代やキャリアの近い海外研究者らと、対面という環境下のみで成せる詳細な研究に関するディスカッションを行うことができた。本交流は今後の自己キャリア形成に重要なものとなると思います。 MECMATPLAが開催されたモンジュネーブルは、コッティアン・アルプスのイタリア-フランス国境に位置する、素敵な村でした。村は標高2000m付近にあって、雄大なアルプス山脈の自然を満喫できました。積雪量が多く100年以上の歴史を誇るスキーリゾートで雪質も良く、たくさんの観光客がスキーをしに訪れていました。会議の休憩時間には、スキーやスノーボードを楽しむ機会もあって、久しぶりの運動で汗を流すことができました。また機会があれば、ぜひ次の会議にも参加してみたいと思っています。

(大阪大学レーザー科学研究所 瀧澤龍之介、木村 魁)

[gallery size="medium" ids="1774,1754,1776"] 3月8-13日の日程で、フランス・モンジェネブルにてCore-to-Core事業セミナーとして"Matter in Extreme Conditions for Magnetized PLAsmas" が開催されました。約90名が参加しました。以下、開催レポートとなります。   本ウィンタースクールでは,高エネルギー密度物理(High Energy Density Physics)と磁化プラズマに関する幅広いテーマが扱われ,主に以下のような研究分野が取り上げられた。 [gallery columns="1" size="medium" ids="1773"] 第一に,実験室宇宙物理(Laboratory Astrophysics)に関する講義・発表が行われた。講義では,ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による赤外線観測の最新成果が紹介された。JWSTは0.6~28 µmの赤外波長域に高い感度を持ち,遠方宇宙の観測において重要な役割を果たしている。遠方天体は宇宙膨張による赤方偏移を受けるため,赤外線観測が不可欠であり,JWSTによって宇宙初期の星形成や再電離過程,銀河形成過程などの研究が大きく進展している。また,これまでに約6000個の系外惑星が発見されており,JWSTはそれらの惑星大気の分光観測による組成解析を可能にすることで,系外惑星研究に新しい時代をもたらしている。将来的にはHabitable Worlds Observatoryのような新しい観測施設により,「宇宙に生命は存在するのか」という根源的な問いへの科学的アプローチが進むことが期待されている。

第二に,超高強度レーザー物理および強電場QED物理に関する講義が行われた。講義では,レーザー強度を特徴づける規格化ベクトルポテンシャル a_0 や臨界密度 n_{cr} などの基本パラメータが整理され,レーザーとプラズマの相互作用の基礎物理が解説された。実際のレーザーには空間的な強度勾配が存在するため,ポンデロモーティブポテンシャルの勾配による力が電子に作用し,これが様々なレーザープラズマ現象の起源となる。また,相対論的効果による屈折率変化によってレーザー光が自己収束する相対論的セルフフォーカシングや,プラズマチャネルによるレーザーガイドなどの重要な物理過程が説明された。さらに,レーザープラズマ加速における電子エネルギーの限界(dephasing limit)やエネルギー供給長(depletion length)なども議論された。極めて高強度のレーザー場では強電場量子電磁力学(strong-field QED)の領域に入り,高エネルギー電子との衝突によって放射反作用などの量子効果が顕著になることも紹介された。

第三に,数値シミュレーションおよび診断技術に関する講義が行われた。Particle-in-Cell(PIC)シミュレーションはレーザー核融合や高エネルギー密度プラズマ研究において重要な手法であり,特に臨界密度の10^5~10^6倍に達するような高密度プラズマを扱うためには,重み付き粒子モデルなどの数値的工夫が必要となる。また,粒子とグリッドの間で電流や電磁場を補間する手法や,高次補間による数値ノイズの低減など,実際のシミュレーション技術についても詳細な説明が行われた。さらに,イオンラジオグラフィーなどの診断技術や,Laser MégajouleやEuropean XFELといった大型研究施設を活用した実験研究についても紹介された。 第四に,Warm Dense Matter(WDM)および惑星科学に関する研究が取り上げられた。レーザーやパルスパワー装置による動的圧縮実験では,数十km/sに達するプレートフライヤーなどを用いて極限状態物質を生成する手法が紹介された。また,VISAR干渉計による速度測定を用いた圧力評価や,Warm Dense Matterにおける電気伝導モデルの改良など,極限状態物質の物性研究に関する議論が行われた。これらの研究は惑星内部物理や高圧物性研究とも密接に関連している。 最後に,慣性核融合(Inertial Confinement Fusion, ICF)に関する講義および研究発表が行われた。ICFの基礎概念,放射損失によって決まる点火温度,α粒子加熱による燃焼波の伝播などの基本物理が解説された。また,磁場による電子熱伝導の抑制によって必要なρR条件を低減できる可能性など,磁化核融合に関する議論も紹介された。さらに,流体不安定性やアブレーター材料の結晶化が混合に与える影響など,実験で観測される複雑な現象についても議論された。最終セッションでは,大阪大学レーザー科学研究所による高速点火方式核融合実験の成果についても報告が行われた。 [gallery size="medium" ids="1743,1741,1742"] このように,本ウィンタースクールでは,宇宙物理,強電場レーザー物理,大型研究施設を用いた高エネルギー密度科学,惑星科学,慣性核融合研究など,多様な分野を横断する内容が体系的に講義されており,特に若手研究者や学生にとって,高エネルギー密度科学と磁化プラズマ研究の広い研究領域を俯瞰的に理解する貴重な機会となっていた。 また,本会議には欧州・米国・日本の主要研究機関から研究者が参加しており,磁化高エネルギー密度プラズマ研究における国際連携の重要性が改めて認識された。特に大型レーザー施設やXFELなどの大規模研究インフラを活用した共同研究の可能性について活発な議論が行われ,今後の国際共同研究の推進にとっても有意義な会議であった。

   藤岡慎介(PI, 大阪大学レーザー科学研究所)

[gallery columns="2" size="medium" ids="1744,1740"]
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