JSPS研究拠点形成事業:パワーレーザーの国際連衡による超域プラズマ科学の国際研究拠点

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出張報告:HEDLA/HEDS2026②(大阪大学・北 大空・土橋 凛太郎・谷郷龍夏)

2026年4月21日から24日にかけてパシフィコ横浜で開催された、光・量子ビームの国際会議「OPIC2026」に参加しました。私はその中でも、極限状態の物理を宇宙物理学の解明に繋げる「HEDLA(High Energy Density Laboratory Astrophysics)」セッションを中心に活動しました。
HEDLAでは、世界中から著名な研究者が集まり、高出力レーザーを用いた無衝突ショックや磁化プラズマのダイナミクスについて熱い議論が交わされました。特に印象深かったのは、UCLAのDerek Schaeffer氏による磁化無衝突ショックにおける電子加熱の発表です。ショックを横切る際にエネルギーがどのように分配されるのか、断熱的な変化と散逸のプロセスを、最新の計測データと理論を対比させながら論じる姿は非常に刺激的でした。また、LULIのA. Triantafyllidis氏によるゼーマン分裂を用いた磁場計測の報告など、天体現象を「実験室で模倣(mimic)」するための高度な診断技術についても多くの示唆を得ることができました。
ポスターセッションでは、大阪大学レーザー科学研究所の「激光XII号」を用い、窒素ガス中での無衝突ショック生成実験の結果を報告しました。シュリーレン計測によるショックフロントの同定、および協同トムソン散乱(CTS)計測を用いたプラズマパラメータ(密度・温度・流速)の空間プロファイル解析について述べ、低圧条件下(1 Torr)において高エネルギーイオン成分が生成される圧力依存性を明らかにしました。質疑応答を通じて、自身の研究課題に直結するフィッティング手法や計算アルゴリズムについて、他機関の研究者と深い議論を行うことができました。特に、プラズマ分散関数のフィッティングにおけるScipyの活用やといった実務的なアドバイスは、今後の解析作業に反映できる貴重な収穫でした。
また、プレゼンテーションの技術面においても、進捗状況を視覚化するスライド構成や、主張を明確に伝えるキャプションの配置など、国際舞台で「読ませる・魅せる」ための工夫を多く学ぶことができました。
今回の会議を通じ、「Collisionless Shocks(無衝突ショック)」という複雑な現象を理解するためには、精緻な実験とシミュレーションの「Strong agreement(強い一致)」が不可欠であることを再認識しました。ここで得た、流体力学的な視点から相対論的な物理に至るまでの幅広い知見、そして世界各国の研究者とのネットワークを糧に、自身の研究においても、説得力のある成果を目指して邁進していきたいと考えています。

(大阪大学大学院・理学研究科 北 大空)

 

ポスター発表では、高出力レーザーによる三段階イオン加速について発表を行った。関連知識を持っている人から、初学者の人まで、多岐にわたっていたので、それに対応した説明をすることが難しく感じた。また、英語で説明することにも少し苦労した。しかし、説明することで自身の研究を再び見直すことができ、より深い理解につながったと感じた。また、5日間にわたり多数の発表を聴講する中で、新たな知見を得るとともに研究への関心も一層高まり、大変有意義な時間であった。

(大阪大学大学院・理学研究科 土橋 凛太郎)

2026年4月に横浜で行われた「HEDLA 2026」に参加し、現在取り組んでいる、無衝突衝撃波同士の衝突に関するシミュレーション結果について、ポスターセッションで発表した。
国際会議ということもあり、英語での対話に苦戦した。今後はこの経験を活かして、より準備に力を入れたい。

(大阪大学大学院理学研究科 谷郷龍夏)

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