出張報告:ルーマニアELI-NP出張報告(広島大学・本間謙輔)
本研究はSAPPHIRES国際共同実験による軽い暗黒物質探索を目指している。2023年10月3日からの出張の主目的は、次の探索用ビームタイムに備えて、比較的低真空度の上流真空容器内の光学系調整から開始し、暗黒物質とレーザー場の相互作用を促すための高真空度の下流真空容器内に新たな光学素子群を設置の上、それらの統合調整を行うことであった。具体的にのE4実験エリアにて、上述の二連結真空容器内へ光学系を設置した。この作業は、同伴した大学院生ら2名とELI-NP内のSAPPHIRES共同研究者及びエンジニアらと共に実施した(写真)。並行して、前年のビームコミッショニングの実体験に基づき、現地研究者らと次期ビームタイムまでに整えるべき探索データ取得時のオンライモニター系の開発内容を吟味し、実験実施計画の詳細を詰めた。加えて、滞在期間中に実施されたワークショップRomanian-Japanese Bilateral Workshop on QED and Plasma Interactions in Petawatt Laser experimentsにも参加し、10月10日に招待講演を実施した。
左:ELI-NP内の共同研究者らと共に、上流真空容器内に光学素子の設置を開始した際の様子
右:ELI-NP内の共同研究者から高真空仕様光学素子の扱いについて指導を受ける大学院生ら