JSPS研究拠点形成事業:パワーレーザーの国際連衡による超域プラズマ科学の国際研究拠点

お知らせNEWS

参加報告:国際会議New opportunities and challenges in nuclear physics with high power lasers(阪大レーザー研・余語覚文)

2024年7月1日-5日に開催された国際会議New opportunities and challenges in nuclear physics with high power lasersにおいて招待講演を行った。主催のECT*: European Center for Theoretical Studies in Nuclear Physics and Related Areasは欧州における理論核物理研究の本部であり、イタリアのトレントに在する。建物はかつての貴族の邸宅を再利用したもので、たいへんに趣きがあった。このECT*にレーザープラズマの研究者が乗り込んだのは、恐らく今回が初めてであろうと思う。講演時間は1件当たり40分と長めに設定されており、活発な議論が繰り広げられた。特に、核物理研究者が耳慣れないレーザープラズマの研究を真摯に受け止め、パワーレーザーを用いて新しい物理学を展開したいという強い思いが感じられた。

当地はイタリアとオーストリアの国境に近いことから、16世紀に宗教会議であるトリエント公会議が開催されたことで知られる。公会議ではカトリックとプロテスタントの対立が修復不可能となり、分裂を決定的なものとした。対して、本国際会議では、レーザープラズマと核物理という異分野の研究者が出合い、新しい分野横断的領域として発展することを予感させるものであった。

日本からの参加者(左から)QST・福田氏、余語、阪大工・蔵満氏、撮影:QST・早川氏

ページ先頭へ戻る