開催報告: 国際会議 New opportunities and challenges in nuclear physics with high power lasers
7月1日(月)から7月5日(金)にかけて、イタリア北部の山岳地帯に位置する町トレントにて、高強度レーザーを用いた核物理実験の新たな展開を議論するECT*(https://www.ectstar.eu)主宰の国際ワークショップ「NEW OPPORTUNITIES AND CHALLENGES IN NUCLEAR PHYSICS WITH HIGH POWER LASERS」を、日本学術振興会の協賛にて開催致しました。会議には、ルーマニア国ELI-NP研究所の研究員を中心に、欧米から核物理、レーザープラズマ物理の実験・理論の研究者約30名が参加し、通常の会議では、対面で議論することなかった異分野の研究者が、お互いのアイデアを披露し、リラックスした雰囲気の中、活発でフランクな議論が繰り広げられました。具体的には、核フォトニクス促進のためのレーザー駆動高強度γ線源開発の重要性、レーザー駆動電子線・ガンマ線を用いた核異性体研究の重要性、高繰り返し実験のためのクライオターゲット開発の重要性、 医療応用などを念頭に置いたレーザー駆動中性子源開発のさらなる発展の重要性、核反応におけるプラズマ遮蔽効果検証のための基礎実験の重要性、 レーザー集光強度が1021 W/cm2 を超える領域での先進的なイオン加速スキームの検討の重要性、などが議論されました。
日本からは、大阪大学の蔵満康浩教授と余語覚文教授、QST関西研の早川岳人上席研究員と福田祐仁上席研究員(本会議オーガナイザーコミッティーメンバー)が参加し、最新の研究成果を披露しました。「これまで参加した国際会議の中で最も面白く、有意義な会議であった」との感想が参加者から寄せられるほど、非常に有意義な国際ワークショップを開催することが出来ました。 (QST関西研 福田祐仁)
- 会議集合写真
- 本人参加者左から、蔵満、早川、余語、福田
- 会議ポスター