出張報告:ルーマニアELI-NP研究所(QST関西研・福田祐仁)
8月26日(月)から9月14日(土)にかけて、ルーマニア国ELI-NP研究所にある世界最高強度の10PWレーザーのコミッショニング実験に参加し、結晶分光器を用いたX線計測をおこないました。実験では、 ELI-NPの研究者が設計したダブルプラズマミラーを用い、プレパルスを最大限に除去した状態で、固体薄膜ターゲットに対してレーザー照射し、X線計測実験を行いました。
今回の実験キャンペーンでは、始めに、2台のX線結晶分光器の再アライメントを行いアライメントのズレを補正しました。また、コントラスト比が最大限よくなるよう、レーザー装置の調整をしながら、ショットをおこないました。その結果、前回実験では、シグナルが観測されなかったターゲットからのX線計測に成功しました。また、条件を変えていくつかのデータを取得し、現在、解析作業を行っています。
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- レーザー集光点付近での装置調整の様子
- X線分光器周辺に鉛ブロックを積み上げノイズ対策を実施