JSPS研究拠点形成事業:パワーレーザーの国際連衡による超域プラズマ科学の国際研究拠点

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開催報告:20th International Workshop on Radiative Properties of Hot Dense Matter(RPHDM2024)

2024年11月18日から22日にかけて、フランス・パリのソルボンヌ大学で開催された20th International Workshop on Radiative Properties of Hot Dense Matter (RPHDM2024)が開催され、大阪大学から藤岡さん、敦さん、唐木さんが参加しました。

この国際ワークショップは、高出力レーザーやX線自由電子レーザー(XFEL)を用いて生成される極限環境下の高密度高温プラズマに関する放射特性(不透明度、発光率、放射輸送)の解明を目的としています。放射特性は、天体物理学における恒星内部や超新星爆発のモデル構築だけでなく、実験室で生成されるプラズマの温度・密度の正確な診断にも不可欠な物理量です。

ワークショップ中、パリ天文台のFranck Delahaye博士、エコールポリテクニークのMichel Koening博士、およびFrederic Perez博士、アメリカ・サンディア研究所のJim Bailey博士、Taisuke Nagayama博士など、著名なオパシティー研究者らと高密度高温プラズマの不透明度測定に関して実りある議論を交わし、関連研究の共同研究に向けたいくつかの有望な可能性が生まれました。 特に、近年話題となっている鉄のオパシティーに加えて、より低Zのプラズマに対しても網羅的にオパシティーの測定を行うことの重要性を共有することができました。これとは別に、X線自由電子レーザーSACLAで得られたデータについても、高輝度X線照射下の固体密度プラズマ中での内殻空洞状態のイオンやシュタルクシフトの効果など、解析の糸口となる貴重な知見を得ることができました。

この時期のパリは非常に寒く雪が積もることもありましたが、参加者らはワークショップの合間に、パリの文化を堪能し、美味しい食事や観光、買い物も楽しみました。(報告:阪大・藤岡慎介)

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