JSPS研究拠点形成事業:パワーレーザーの国際連衡による超域プラズマ科学の国際研究拠点

活動ACTIVITIES

出張報告:フランス・LULI 実験室宇宙物理実験(阪大・黒地柊太郎)

2025年3月17日から4月4日の3週間にわたり、フランス・パリ近郊のパレゾーにあるÉcole PolytechniqueのLULI (Laboratoire pour l’Utilisation des Lasers Intenses) にて行われた、実験室宇宙物理に関する実験に参加しました。本実験では、プラズマ中に生成される乱流電磁場の構造やその発展過程を理解することを目的とし、高エネルギーレーザーを用いたターゲット照射によって擬似的な宇宙環境を生成し、その中のプラズマ挙動を計測しました。

私は主に光学計測を担当し、乱流プラズマの空間構造を可視化するイメージングに取り組みました。今回担当した計測は私にとって慣れていない手法でしたが、研究メンバーと協力しながら何度もセットアップやアライメントを重ねた結果、良好なデータが得られたので大変満足しています。また、私は本実験に関連する数値シミュレーションも担当しており、実験結果がシミュレーションと良い一致を示した際には、大きな喜びを感じるとともに、自らの解析手法の妥当性を確認することができました。

パリでの3週間という長期滞在の中で、研究だけでなく現地での生活も楽しむことができました。朝食には地元のカフェでクロワッサンとエスプレッソをいただき、まるでパリ市民のような気分を味わいました。夜は実験チームのメンバーと共にフランス料理を楽しみ、実験外でも充実した時間を過ごすことができました。また、休日にはエッフェル塔やルーヴル美術館などパリ市内を観光し、文化的にも多くの刺激を受けました。

初めてのLULIでの実験ということもあり、技術的にも語学的にも多くの学びがありました。今後は、得られたデータの解析を通じて、プラズマ中の乱流電磁場の詳細な物理理解につなげていく予定です。さらに英語での議論力や現場対応力を一層高め、将来的にはより主体的に国際共同研究に貢献できる研究者になりたいと感じました。

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