開催報告:ECT* workshop “Nuclear Physics under the Low-Energy, High-Intensity Frontier” (2026年8月10-14日)
8月10日(月)から8月14日(金)にかけて、イタリア北部の山岳地帯に位置する町トレントにて、高強度レーザーを用いた核物理実験の新たな展開を議論するECT*(https://www.ectstar.eu)主宰の国際ワークショップ「Nuclear Physics under the Low-Energy, High-Intensity Frontier」を、日本学術振興会の協賛にて開催致しました。参加者総数:18人(日本: 3, アメリカ: 5, ドイツ: 2, ルーマニア: 3, その他)
会議には、ルーマニア国ELI-NP研究所の研究員を中心に、欧米から核物理、レーザープラズマ物理の実験・理論の研究者約20名が参加し、通常の国際会議では交流する機会の少ない異分野の研究者が一堂に会し、それぞれの専門的な視点から新たなアイデアを提示するとともに、リラックスした雰囲気の中で活発な意見交換が行われました。
具体的には、従来の加速器を用いた一対一の粒子反応とは異なり、比較的低いエネルギー(100 MeV以下)でありながら極めて高強度な場において、多数の粒子が関与する相互作用を核物理研究に利用する新たな可能性について議論が行われました。特に、高強度レーザーと物質との相互作用によって生成される、高密度かつ超短パルスの粒子線や極端な電磁場など、従来型加速器では実現することが困難な環境を活用することで、核・素粒子物理にどのような新しい研究領域を切り拓くことができるかについて、活発な意見交換が行われました。また、こうした新しい研究領域が、核フォトニクス、宇宙・天体核物理、医療応用などへ発展する可能性についても議論され、レーザー・プラズマ物理の専門家と核物理の研究者が共同して、具体的な実験の実現可能性や今後の共同実験提案につながる研究アイデアを検討しました。
日本からは、QST関西研の早川岳人上席研究員と福田祐仁、NIFSから松井隆太郎准教授が参加し、最新の研究成果を披露しました。
(量子科学技術研究開発機構 関西光量子科学研究所・福田祐仁)




