大阪大学 レーザー科学研究所

研究グループGROUPS

物理インフォマティクス(PIF)

グループの概要

レーザー核融合の爆縮に関する研究、特に新たに提案された高速点火方式に関する物理、及びそれに関連する基礎的なレーザープラズマ物理に関する研究を行っています。

高速点火方式では、従来の中心点火方式と同様に圧縮用レーザーで爆縮をし、形成した高密度プラズマに超高強度レーザーで追加熱して加熱・点火を目指します。そのため、爆縮のためのレーザープラズマ物理、加熱のための相対論超高強度レーザーと高密度プラズマ物理、点火・燃焼の物理が主な研究テーマとなっています。

これらの物理は強い非線形現象であるため、理論解析の他に、計算機シミュレーションによる解析が重要な役割を担います。また、これらの解析に最適な計算機シミュレーションコードの開発も行っています。

研究内容

レーザー核融合爆縮におけるプラズマ物理

爆縮は、半径数mmのターゲットを数10分の1程度の半径まで圧縮します。その過程で、収縮するターゲット上では、レーリー・テーラー不安定性に代表される流体力学的不安定性現象をともないます。これらは初期には非常に小さな擾乱ですが成長することによって、爆縮性能を著しく低下させる原因となります。これを計算機シミュレーションで再現するためには非常に高精度の解析コードが必要であす。また、爆縮ではレーザー吸収、アブレーション、輻射現象、核燃焼などを伴うため、関連する様々な物理モデルを考慮しないといけません。爆縮の物理現象をできる限り考慮した計算機シミュレーションコードを統合爆縮コードと呼び、本グループでは、流体を中心とした解析コードの開発をしながら様々な現象の解析を行っています。

相対論超高強度レーザープラズマ物理

高速点火方式では、爆縮で作られた高密度プラズマに超高強度レーザーで(加熱用レーザー)で加熱します。このとき、プラズマとレーザーは相互に複雑作用します。例えば、電子は光の速さに近いづき相対論的な振る舞いをするようになります。また、極めて短時間に莫大なエネルギーが加わるためイオンと電子が別々に運動し、強い電磁場を発生することもあります。そこで本グループでは、これらの現象を計算機シミュレーションで解析するため相対論を考慮した電子やイオンと粒子の運動を扱うコード(粒子コード)を中心に、開発、解析を行っています。

レーザー核融合の燃焼・加熱の物理

爆縮の最終段階で起こる核燃焼はレーザー核融合の最終的な性能を左右する重要な物理です。特に高速点火方式では、複雑な形状に圧縮された燃料をどのように加熱・燃焼させるかが重要な課題の一つになっています。また、燃焼は、電子による熱輸送から核反応、生成物の輸送までを考慮しないといけないため、粒子コード、フォッカープランクコード、流体コードなどのコード開発も行っています。

高速点火統合コード

高速点火方式の一貫した計算機シミュレーションを行うため、前述した爆縮から、過熱、燃焼などを統合したコード開発を行っています。これによって、個々の計算機シミュレーションの初期条件、境界条件などをより正確に記述することが可能となります。また、レーザー核融合だけでなく粒子加速やEUV(極紫外線)発生のシミュレーション解析に応用することが期待されています。

メンバー

長友 英夫 准教授
畑 昌育 日本学術振興会特別研究員
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