出張報告:米国・アラバマ大学ハンツビル校-第3弾(九州大学・古場 健斗)
2024年12月からアメリカ・アラバマ大学に長期滞在されていた九州大学・古場 健斗さんが帰国されました。第1回、第2回の滞在報告に続く、帰国後の報告となります。
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今回がアラバマ大学への留学報告の最終回になります。本報告書を作成しながら、6ヶ月間の留学は一瞬で時間が過ぎていったことを強く感じております。
はじめに、本留学中にご縁があって同じくハンツビルで開催されたANS (American Nuclear Society)主催のNuclear and Emerging Technology for Space (NETS)という学術会議に聴講者として参加させていただくことができました。ここではNASAをはじめとする国立の研究所や大学、民間企業など宇宙での核技術に携わる方が数多く出席しており、特に核推進に関するアメリカの最新の動向について調査することができました。特に、NASAのブースではNASAの研究者の方とも直接お話する機会があり、小さい頃宇宙に興味を持った時からのある種の夢が叶ったような気がしました。また、数こそ少なかったものの私の研究テーマである核融合推進に関する研究発表も聞くことができ、来年以降自分もこの場所で実際に発表をして様々な研究者との意見交換を図りたいと思うことができました。
- NETS 学会
- NASAブースにて
- サターンVの下でのバンケット
本留学を通して、私はJason Cassibry教授とともにラグランジュ的流体計算であるSmoothed Particle Hydrodynamics (SPH) 計算を用いたレーザー核融合ロケットにおける磁気ノズル内でのプラズマ挙動と磁場変化の数値解析コード開発に取り組みました。これまで私の所属である九州大学の研究室ではオイラー的計算手法のハイブリッド計算を用いて数値解析を行なってきたため、本格的なSPH計算の導入は初めての試みでした。本留学期間では計算コードのvalidationが中々うまくいかず、Cassibry教授と試行錯誤する日々になりました。ですが、今後に向けて少しずつでも前進することができたので、日本に帰ってからも継続的にCassibry教授と議論を重ねて必ずものにしたいと考えています。
- Cassibry教授と
- 研究室の皆さんと
最後になりますが、この6ヶ月の留学期間の総括として、私はアラバマでの人間関係に非常に恵まれたなと感じています。Cassibry教授はもちろんのこと研究室の皆さんがとてもフレンドリーで研究に関する質問や議論だけでなく研究の合間でもとにかくたくさんお話しすることができました。特に、文化的な違いなど日本に対して皆さん非常に興味を持ってくださっており、日本について紹介しながら私も改めて日本の素晴らしさを認識することができました。他にもホームパーティやレクリエーションイベントにも積極的にお誘いいただき、皆さんとたくさんの思い出を作ることができました。ここまで充実した留学生活を送ることができたのはルームメイトをはじめとする皆さんと出会えたからこそだと思っています。
今回の留学を通じて築くことができた九州大学とアラバマ大学のコネクションは今後も大切にし、今後さらに大きな研究協力に発展していくことを願っています。
本プログラムを通してこのような貴重な機会と経験の場を提供していただき、本当にありがとうございました。
- 帰国前に研究室よりいただいたケーキ
- 友人たちと
- Space City USA
- 出発直前のハンツビル空港にて