(イベント)インド出張記
(日時)1月下旬
(報告者)西村 博明
 本年(2016)1月末、電子技術中央研究所(Central Electronics Engineering Research Institute (CEERI), Pilani(ピラニ))のRam Prakash主任研究員ならびに、Lucknow(ラクナウ)にあるAmity大学(私立)Harish K. Dwivedi教授らの招聘を受け、北部インド北部3箇所の研究所、大学を訪問し、我々の研究活動を紹介する機会を得た。



西からピラニ、アーグラ、ラクナウ

 Ram Prakashさんとは、今年3月、イタリア・トリエステで開催されたIAEA主催Advanced School and Workshop on Modern Methods in Plasma Spectroscopy, (March 16-27)で初めて出会い、その後JSTの外国人招へいプログラム申請のお手伝いをするなどの研究交流が続いていた。Ramさんは、核融合研に半年滞在した経験を持っており、核融合研・後藤先生との共著もある、親日家。
 トリエステでのプラズマ分光ワークショップも、そして、今回のインド訪問も目的は類似している。中国とともにインドは世界経済を牽引すると世界の期待を一身にうける巨大な途上国である。依然貧富の格差は多く、世界との距離を縮めるのは容易ではない。しかし、国民は勤勉であり教育熱心である。女性の社会進出も進んでいる。なんとかしようとする意識は高い。この国が動き始めたら大きな力になる。このような期待のもと、科学技術レベルの底上げを図るための活動のお手伝いである。


写真1:Pilaniの電子技術中央研究所Ram Prakashグループメンバー。水銀フリーの殺菌灯や、マイクロ波発生管、サイラトロン等の研究開発を行っている。筆者の右隣がRamさん

今回のインド訪問は私にとって初めての旅であった。もともと湿度の高いインド北部にあり、この季節ヒマラヤ山脈からの冷気が大地に広がる。そのため本州をすっぽり包むほどの広大なエリアで濃霧が発生する。50m先が見えない。このため、飛行機は飛べない。車も列車も危なくて速度を出せない。なので、ことは予定通りに進まない。少々のことでやきもきしても仕方ない、「インド時間」の旅となった。 成田からデリーに入った翌日、Pilaniへ移動。ここにある電子技術中央研究所を訪問し、レーザープラズマ極端紫外(EUV)光源とその産業応用に関する講演を行って研究室見学(写真1)。大学ではないが、博士号取得を目指した若手研究者が沢山いる。インドで初めて白黒テレビジョンを開発したのがここらしい。建物の中心部には高さ20mほどの放送試験用タワーが残っている。
 翌日、デリー経由にてLucknowに移動。ここにあるAmity大学で、International Conference on Plasma Science, Technology and Application(1/20-21)に参加。会議に先立ち、インドでは儀式がある。招待講演者を紹介し、記念品や花束で出迎える。次に教育の神に会議の成功の祈りを捧げる。参加者はステージに設けられた祭壇の灯明に火をともすのである。で、始まるかと思いきや、「ハイティタイム(いわゆる、コーヒーブレーク)」。会議は遅れに遅れ、いつ開始か、担当者が声を掛けないと会議は始まらない。初日夕刻には、参加した学生が民族ダンスを披露してくれた。世話役のHarish K. Dwivedi教授曰く、国際会議全体の企画、運営は全て学生がやっているとのこと。国際会議開催がすでに教育活動に取り入れらているらしい。
 その後、Lucknowからは列車でAgra(アーグラ)に移動。かのTaji Mahar(タージ・マハール)で世界中に知られている。今回のインド旅行の世話役であるRamさんの出身地でもある。彼の地にあるDr. B.R. Ambedkar University で開催されたInternational Workshop on Emerging Opportunities and Trends in Basic & Applied Sciences に参加。


写真2:Lucknowでの国際会議の初日夕刻には、カルチャーセッションがあり、インド各地の民謡ダンスを学生達が披露してくれた。なかなか見応えあり、会場は一気に盛り上がった。

 「地球の歩き方」を読むと、インド旅行の怖い話がいっぱい載っている。激しい下痢に襲われ寝込んだので、宿屋の主人に連れられ薬局で赤袋の抗生物質を飲んだ。野犬に噛まれたら狂犬病予防接収を即受けろ。リキシャ(簡易タクシー)のドライバーにはだまされるな。乗る前に交渉せよ。今晩はどこのホテルだ。そいつは先週つぶれたから、新しいホテルを探した方がよい。ついては、俺の知っている旅行代理店を教えてやるから付いてこい(これもだまし。高いホテルを紹介される)。緊張が止むことがない。インドの人には悪いが、知らない人から声を掛けられても返答しないことにして。事なきを得た。
 水も信用成らない。水道水はダメ。生ジュースもだめ。氷もだめ。屋台の食事もダメ。で、日本から持参した水と、現地で未開封(ここ重要)のミネラルウオータで過ごした。歯磨きの水もこの水限定。後、医者に勧められたビオフエルミンRが効いたらしい。1週間の滞在期間中、胃腸の調子は問題無かった。
 インドは生き物を大事にする国である。食事は菜食主義が基本。なので、野犬の多いこと多いこと。田舎はもとより都心の路地裏、ゴミ捨て場、飲食店前、あちこちに居る。夜の一人歩きは危ない。数匹に囲まれたら命取り。あと、「牛」。田舎はもとより都会でも居るは、居るは。「野良牛」状態(写真)。車は徐行運転している。誰も怒らない。「お牛さま」優先なのである。悠久の時が流れる。

写真3:「のら牛」。インド滞在中、しょっちゅう出会う。あと、駱駝も見かけることがある。首輪も鼻輪もないでしょう?


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(イベント)新歓ホームパーティ
(日時)5月10日
(報告者)M1出口
毎年恒例の西村先生宅でホームパーティをしました。先生の家は北千里からバスに乗って山をいくつか越えた風の通るのどかな丘に建っています。ホームパーティでは、先生と奥様がご用意してくださった、ローズマリーに鶏肉やパプリカを挿した大きな串焼きや、本格的なビールサーバー(銘柄はキリン)やワインなどの様々なお酒、サザエのつぼ焼き、濃厚なビーフステーキなど、一人暮らししている私には到底食べることが出来ないものを沢山ご馳走になりました。


ローズマリーの串焼き


準備を終えたB4と吉川さんと戸崎君(右から)


食事が一段落着いたところで、学生たちで近くの公園でボール遊びをしました。学生と客員教授としてレーザー研に来られていたドイツ出身で教授としてフランスの大学にお勤めのFrank B. Rosmej先生と西村先生を交えてサッカーやバレー、ポートボールなどをして遊びました。皆、童心に返って楽しんでいました。(先生方も例外ではありませんでした笑
公園から先生宅に戻ったあとは、デザートを食べたり、トランプをしたりして思い思いの時間を過ごしました。ホームパーティの片付けをした後、行きに乗ってきたバスに乗って帰路につきました。
素敵な場をご用意してくださった西村先生と奥様ありがとうございました!4年生の皆さん、まずは院試パスを目指して頑張っていきましょう!


ホームパーティの集合写真


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2013年

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