大阪大学 レーザー科学研究所

マトリクス共創推進センターQMC

プロジェクトイニシアティブ

文理融合による文化財分光研究プロジェクト

代表者:清水 俊彦

概要

レーザー開発や応用において、新材料光学素子による分光装置やテラヘルツ発生のような新しい分光技術が確立されてきた。これまで、複数の産学連携プロジェクトを通じこれらの新技術開発に加え、分光の新しい応用を拡げるための土台を築き、さらにアセアン諸国や文系の研究者といった、異なる地域・領域との共同研究を推進してきた。特に近年学際連携による研究が重視されており、なかでも文理融合は重要な課題である。大学・研究所の共同研究講座(部門)・協働研究所制度も活用した積極的な産学連携の実施に加え、多数の学部・学科・研究所を擁する研究型総合大学の強みを生かし、文系も含む異分野の他学部・学科との多彩な連携体制の構築により異分野融合・文理融合の実現が可能である。国際連携もアセアンキャンパスや海外拠点を通じた豊富な連携体制が構築できる。

本プロジェクトでは、そのさきがけとして、文・理の研究者が共同して文化財の分析を分光手法により行う。文化系の研究者と共同して本プロジェクトを実施することで、レーザー科学における文理融合研究のさきがけとなる。多様な問題を抱える現代社会においては,異分野融合による多角的な取り組みがその課題解決に有効であり,その先鞭を示すことを目標とする。現在は本学人文学研究科と共同で海外文化財試料の分析を進めている。

 

テラヘルツ機能創成イニシアチブ

代表者:中嶋 誠

概要

テラヘルツ波は安心・安全な電磁波として、エレクトロニクス分野から、バイオ、医療分野、セキュリティ関連、超高速無線通信まで様々な応用が期待されています。当イニシアチブでは、国内外の研究グループと連携し、様々な材料のテラヘルツ領域の物性研究や機能開拓、テラヘルツ電磁波の発生・検出素子の開発、テラヘルツ応用システムやデバイスの開発などを行い、次世代の光・テラヘルツ機能の創製と新機能デバイスの基盤技術開発を目指します。

図1 メタマテリアルを利用した高感度テラヘルツ分析システムの一例

レーザー宇宙物理学

代表者:坂和 洋一

概要

ハイパワーレーザーにより高温・高圧・高エネルギー密度状態を実験室内に実現し,無衝突衝撃波,磁気リコネクション,プラズマ不安定性,乱流,粒子加速 等の天体・プラズマ物理学や,惑星の内部構造や形成過程の解明に関わるWarm Dense Matter科学の,深化と展開を目指します.日本のみならず,米国,英国,仏国,独国、中国,台湾,インドなど,国内外のハイパワーレーザーを用いて、国際共同研究により研究を進めています.

図1 レーザー宇宙物理学の主な研究テーマ.

物理インフォマティクス

代表者:長友 英夫

概要

複雑・非線形物理現象の膨大なデータの中に埋もれた相関関係の発見を目指します。特に、レーザープラズマのシミュレーション、および実験では様々なデータが得られますが、その中から一貫した法則性を見出すのは至難の業です。そのために、人工知能(AI)、ディープラーニングなど、最新の情報科学を活用した解析手法の開発に取り組みます。また、AIを活用することによって、レーザープラズマの非線形現象を最適化することも可能で、様々な問題解決に取り組んでいます。

図1 物理インフォマティクスによる非線形解析のイメージ図.

レーザー駆動強磁場プラズマ科学

代表者:藤岡 慎介

概要

レーザー駆動強磁場と高エネルギー密度プラズマを組み合わせることで,エネルギー変換媒体としての高エネルギー密度プラズマの機能を強化し,レーザー核融合及び実験室宇宙への拡大を図る.レーザー駆動強磁場は発生研究から,プラズマ科学への利用研究への移行期にあり,学際研究への発展が期待されている.米国,仏国,露国,中国等国外での注目も高まっており,強磁場をキーワードに,国内外の研究者の連携を構築する.

図1 レーザー駆動強磁場プラズマ科学推進の為の国際連携.

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