高性能計算機システム
高性能計算機
レーザープラズマ研究では、高性能計算機を用いたシミュレーション研究が重要になっています。
例えば、実験が困難な問題でもシミュレーションは比較的簡単に実行できるので、まずはシミュレーションを実施します。その過程で新しい発見に結びつくこともあります。また、実験を行う前のシミュレーションに基づくターゲット設計や実験結果の予測を行うことも重要です。これによって実験計測の質を高められるなど、実験研究の初期の段階からシミュレーションが主導的役割を担っています。
計算シミュレーションコード
高出力レーザーで生成される高エネルギー密度プラズマの物理を調べるために、計算シミュレーションコードの開発が行われています。共同利用・共同研究拠点として,様々な実験とシミュレーションを比較することで、シミュレーションに含まれるモデルの妥当性を確認するなど、さらなる進展のため計算コードの一部を共同利 用研究に供しています。 計算コードには計算可能なプラズマパラメーター領域、適用限界があります。 受け入れ担当者と事前打ち合わせを実施するようお願いします。どのような計算 コードが適しているのか不明な場合は担当幹事の長友とご相談下さい。また、コード開発に関わる共同研究につい てもご相談下さい。
2次元輻射流体コード”PINOCO”
高出力レーザーで生成された高エネルギー密度プラズマの流体力学的挙動をシミュレーションします。レーザー吸収、光放射と輻射輸送、高圧力下におけるプラズマの状態方程式、熱伝導をモデル化しています。また,外部から磁場が印加された状態の計算も行っています。長友にご連絡下さい。
- H. Nagatomo et al., “Compression and electron beam heating of solid target under the external magnetic field for fast ignition”, Nuclear Fusion, Vol. 57, 086009 (2017).
- H. Nagatomo et al., “Simulation and design study of cryogenic cone shell target for Fast Ignition Realization Experiment project”, Physics of Plasmas, Vol. 14, 056303 (2007).
多次元Particle-in-Cellコード”PICLS”
高強度レーザーとプラズマの相互作用をParticle-in-Cell法を用いて、1次元、2次元、3次元で計算します。プラズマの加熱に伴うイオンの電離や電離したイオンからの輻射も計算します。X線やガンマ線ビームと物質・プラズマの相互作用も計算出来ます。千德にご連絡下さい。
- Y. Sentoku et al., “Kinetic effects and nonlinear heating in intense x-ray-laser-produced carbon plasmas”, Physical Review E, Vol. 90, 051102 (2014).
- Y. Sentoku et al., “Numerical methods for particle simulations at extreme densities and temperatures: Weighted particles, relativistic collisions and reduced currents”, Journal of Computational Physics, Vol. 227, p. 6846 (2008).
3次元Particle-in-Cellコード
超高強度レーザー・プラズマ相互作用を計算します。極端紫外光源プラズマから放出されるイオンデブリの挙動をシミュレーション出来ます。村上(匡)にご連絡下さい。
- K. Nishihara et al., “Plasma physics and radiation hydrodynamics in developing”, Physics of Plasmas, Vol. 15, 056708 (2008).
3次元流体コード”IMPACT3D”
3次元の流体運動を計算します。非等方な圧力分布によるプラズマの圧縮をシミュレーション出来ます。村上(匡)にご連絡下さい。
- H. Sawada et al., “Numerical study of core formation of asymmetrically driven cone-guided targets”, Physics of Plasmas, Vol. 24, 100703 (2017).
- H. Sakagami et al., “Three-dimensional Rayleigh-Taylor instability of spherical systems”, Physical Review Letters, Vol. 65, p. 432 (1990).
分子動力学コード
Warm Dense Matter状態における物質の挙動を計算します。物質のアブレーションやスポレーションのダイナミクスをシミュレーション出来ます。村上(匡)に相談下さい。
- V. Zhakhovskii et al., “Laser ablation and spallation of crystalline aluminum simulated by molecular dynamics”, Journal of Physics: Conference Series, Vol. 112, 042080 (2008).
本システムを利用する共同研究(カテゴリーB-1)の応募に際しては、下記担当者まで事前にご連絡くださいますようお願いいたします。
- 村上 匡且(むらかみ まさかつ) E-mail: murakami-m @ ile.osaka-u.ac.jp
受入研究グループ:プラズマ・流体物理学(TLP)グループ - 千徳 靖彦(せんとく やすひこ) E-mail: sentoku.yasuhiko.ile @ osaka-u.ac.jp
受入研究グループ:非平衡輻射プラズマ理論(THR)グループ - 長友 英夫(ながとも ひでお) E-mail: nagatomo.hideo.ile @ osaka-u.ac.jp
受入研究グループ:物理インフォマティクス(PIF)グループ