大阪大学 レーザー科学研究所

開催報告REPORT

市民講演会「レーザーと宇宙」

最先端のレーザー科学および天文学の世界を紹介することを目的として,岡山県倉敷市の倉敷公民館において,2018年5月27日に市民講演会を開催した.本講演会はこの翌日より開催される「実験室宇宙物理国際会議」に先だって行われたものであり,大阪大学発のオリジナルな研究分野である高強度レーザーを用いた実験室天文学に関するアウトリーチ活動の一環として実施された.

 

講演1 兒玉 了祐 氏

まず主催者として大阪大学レーザー科学研究所所長の兒玉了祐氏より開会挨拶があり,講演会開催の経緯や目的などが説明された.引き続き河原伸次様(倉敷市教育委員会次長)より来賓のご挨拶があり,この講演会に関する期待が述べられた.
開会挨拶に続いて,兒玉了祐氏(大阪大学レーザー科学研究所・所長,大阪大学大学院工学研究科・教授)より,「パワーレーザーで宇宙・惑星探査からモノづくりまで」の講演が行われました.講演ではパワーレーザーの拓く可能性に関して,「米粒ひと粒のエネルギー」でこれまでにない極限状態,それを宇宙で見られる現象の解明や高度のレーザー加工技術への応用に関する展望が語られた.

 

講演2 柴田 一成 氏

引き続いて柴田一成氏(京都大学花山天文台・台長)の「太陽の脅威とスーパーフレア」の講演が行われた.講演では,長周期で繰り返される超大規模の太陽フレアに関して,その観測と地球に与える影響が説明され,この太陽の活動をより詳細に観測するために岡山県浅口市に建設中の3.8m望遠鏡に関する紹介がなされた.
両講演ともレーザーと宇宙の結びつきを強く意識され,身近な内容から最先端の科学技術につながるものであり,会場からも講演者への質問が数多く飛び出し,非常に意義深い講演会となった.講演会には倉敷市内を中心に小学生から80代まで幅広い年代層の聴講者(約100名)を集め,会場が倉敷屈指の観光地である美観地区内で行われたこともあり首都圏からの参加者もあった.

 

最後に,本講演会を後援・支援いただいた倉敷市教育委員会,IFEフォーラムおよび関係学協会に深く感謝申し上げます.

会場風景

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