大阪大学 レーザー科学研究所

開催報告REPORT

パワーレーザーフォーラムキックオフシンポジウム

パワーレーザーフォーラムのキックオフシンポジウムが、2018年11月1日(木)大阪大学銀杏会館およびレーザー科学研究所で開催された。主催はレーザー科学研究所、パワーレーザーフォーラム、協賛レーザー学会、後援:オプトロニクス社であった。

レーザーオープンイノベーションプラットフォームのお披露目も同時に行われ、多数の大学、企業等の関係者が参加された。参加者は153名であった。

 

■講演会 第Ⅰ部 11:00~12:30

「パワーレーザーが拓く未来、及びレーザーオープンイノベーションプラットフォームについて」
兒玉 了祐所長(大阪大学レーザー科学研究所)

兒玉所長からは、まず、レーザー科学研究所の紹介があった。レーザー科学研究所には、エレクトロニクスフォーラム及びIFEフォーラムが既に存在しているが、その間になるパワーレーザーに関するフォーラムは存在していなかった。今回新たにパワーレーザーフォーラムを設立し、大学、研究機関、企業、関連団体と適切に連携しながら、様々なステークホールダーからの要請や課題に応えるための枠組み作りを行っていきたいと説明された。

 

◆レーザーオープンイノベーションプラットフォーム見学会(レーザー科学研究所L棟)

産学連携の実践の場として開設されたレーザーオープンイノベーションプラットフォームの見学会が行われた。見学先は7箇所あり、各場所で参加者から多数の質問があった。

 

​■講演会 第Ⅱ部 13:30~17:00

午後からは、主催として大阪大学レーザー科学研究所およびりそな中小企業振興財団にて、パワーレーザーが拓く産業応用のテーマで講演が3件あった。りそな中小企業振興財団の古川裕二理事長挨拶があり、引き続き兒玉所長の挨拶があった。

 

 

[講演1] IoT時代のパワーレーザー加工
~レーザーによる先進的ものづくりから大規模インフラ整備まで~
重森 啓介先生(大阪大学レーザー科学研究所 教授)

大阪大学の重森先生からはIOT時代のパワーレーザー加工についてご講演いただいた。高出力のパワーレーザーを用いることにより、これまでのレーザー加工とは違うコンセプトの使い道が拡がると説明された後、材料の奥深くまでの加工(深層加工)、大面積の加工(一括加工)をものづくりからインフラ整備に応用する道筋について、その学理研究の一端を紹介された。

 

[講演2] 社会を変えるパワーレーザー
~レーザー加工からインフラ診断まで~
藤田 雅之先生(レーザー技術総合研究所、大阪大学レーザー科学研究所招聘教授

レーザー総研の藤田先生からは社会を変えるパワーレーザーという題名で、レーザー技術総合研究所と大阪大学レーザー科学研究所との協力で、基礎研究の成果を産業界に結びつける研究開発を推進してきたと紹介された。また、パワーレーザーの開発はもとより社会に役立つ様々なレーザー応用研究を進めており、ものづくりに役立つレーザー加工から安心・安全につながるリモート計測についても紹介された。

 

[講演3] テラヘルツ光科学による先端センシング
~セキュリティ・危険物検知から半導体評価まで~
中嶋 誠先生(大阪大学レーザー科学研究所 准教授)

大阪大学の中嶋先生は、光と電波の両方の特性をもつ、新しい光・テラヘルツ波をもちいた先端のセンシング研究について紹介された。空港等でつかわれるセキュリティシステムや危険物検知器から、半導体をはじめ絶縁体膜の評価など、多様な成果の例も示された。

 

◆大型レーザー施設見学会 16:00~17:00

レーザー科学研究所慣性核融合実験棟(E棟)を見学した。また午前中レーザーオープンイノベーションプラットフォーム(L棟)を見学できなかった人はL棟の見学を行った。

終了後、銀杏会館レストランミネルバにて情報交換会があった。活発な意見交換が行われ大変盛り上がった。

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