大阪大学 レーザー科学研究所

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【開催報告】令和4年度「パワーレーザーDXプラットフォーム~パワーレーザーのデジタル化・スマート化による新たな価値の創出~」シンポジウム

令和4年度 パワーレーザーDXプラットフォーム = パワーレーザーのデジタル化・スマート化による新たな価値の創出 = シンポジウム」を開催いたしましたので、ご報告いたします。「パワーレーザーDXプラットフォーム」は、文部科学省が推進する先端研究基盤共用促進事業の先端研究設備プラットフォームプログラムとして令和3年度に採択された事業です。国内有数のパワーレーザー研究施設をネットワーク化し、ワンストップサービスと施設のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めることで、研究者に高度な利用支援を提供できる研究施設プラットフォームを形成することを目指しています。本シンポジウムでは、令和3年度から開始した本事業に参加している施設の紹介、事業における活動と取組の紹介を通して、利用者と共に施設連携、学際連携、産学連携、そして将来的な国際連携への発展ついて議論し、相互理解を深めることを目指し企画いたしました。

兒玉了祐(大阪大学レーザー科学研究所長)による開会挨拶の後、尾上孝雄(大阪大学理事・副学長)からは、大阪大学で並行して実施されているコアファシリティー事業、MRIプラットフォーム等との連携によって、パワーレーザーDXプラットフォームが大阪大学における最先端施設共用の柱の一つとして発展することへの期待が述べられました。文部科学省科学技術・学術政策局研究環境課の渡辺隆之様からは、先端施設の共用の重要性、研究DXの流れ、オープンサイエンスに関する大学及び政策での位置づけをご紹介頂きました。

物質・材料研究機構 統合型材料開発・情報基盤部門の石井真史様より「物質・材料分野におけるオープンデータ・サイエンス」と題する基調講演を頂きました。蛋白質に関するデータバンクの紹介から始まり、データ共有のために解決すべき課題、材料分野でのオープンサイエンスの例として、XAFSデータの公開についてご紹介頂きました。オープンサイエンスに対する障壁の高さを研究の多様性、産業界との繋がりの強さの四象限で整理されていたのが大変参考になりました。

引き続き、代表機関・実施機関の施設紹介とDXの取組の紹介が行われました。大阪大学レーザー科学研究所からは、本事業の全体概要と、ワンストップサービスの紹介と令和3年度の利用実績、共同研究者へのVPNサービスの提供、および激光XII号及びLFEXレーザーにおける自動アラインメントと機器接続ネットワークインフラの強化が紹介されました。オープンサイエンスポリシーについても紹介され、本報告の末尾に示すようにパブリックコメントを募集していることが紹介されました。量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所からは、J-KARENレーザーのリモート化・スマート化に向けた5年間の開発スケジュールが示され、令和三年度の技術導入によって既にユーザー提供時間の増加の成果が得られていることが紹介されました。また、他の事業との連携により海外研究者に対してリモート実験の提供が準備されていることが紹介されました。理化学研究所放射光科学研究センターからは、X線自由電子レーザーSACLAと組み合わせて利用可能な、ナノ秒パワーレーザーのレーザーパラメーターのモニタリングとデータ共有の充実について紹介されました。また他の事業で支援されている装置ですが、ハイパワーフェムト秒レーザーとSACLAを利用した海外からの遠隔操作型実験が紹介されました。京都大学科学研究所からは、高強度パワーレーザーであるT6レーザーの遠隔利用の為の、実験室内の監視システムの強化と海外在住の利用者による利用実績が紹介されました。東京大学物性科学研究所からは多様な加工レーザーの紹介と、匠コンソーシアム、自動で加工データを取得するCPSシステムが紹介されました。パワーレーザーの利用者にとって、他のプラットフォームで扱っている最先端共用機器の紹介は、パワーレーザーの利用者にとっても有意義と期待し、NMRプラットフォーム、顕微イメージングソリューションズプラットフォーム、研究用MRI共用プラットフォームから、各プラットフォームについてご紹介頂きました。

最後に身近な研究DXコンテストの入選作の紹介がありました。東京大学工学系研究科の小菅敦丈先生から、カメラとAIを利用したレーザー実験用のターゲットの検査技術の開発、大阪大学大学院理学研究科国際物理学コース博士前期課程の王雨波さんから、Webブラウザー上にてGUIベースで動作するシミュレーションコードを自動で動かすスクリプト開発が紹介されました。両方とも、研究活動をデジタル技術で効率化する研究であり、幅広い活用が期待されます。河内哲哉・量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所 所長の閉会の辞を持って終了いたしました。

本シンポジウムは、レーザー分野における活発な共創の場である光・量子ビーム科学合同シンポジウム2022(OPTO2022)と協力して運営させて頂き、両シンポジウムが接続する形での開催することができました。OPTO2022の関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。量子科学技術研究開発機構関西光科学研究所の多目的ホールを対面での会議場所とさせて頂きオンラインとのハイブリッド形式で、現地に約50名、オンラインに約100名が参加され、150名の方々にご参加頂けました。参加された皆様にとって、少しでもお役に立てましたら幸甚です。

最後に、パワーレーザーDXプラットフォームではオープンサイエンスポリシー(案)を作成し、現在コメントを受け付けております。一度お目通し頂き、ご意見賜れば幸いです。

「オープンサイエンスポリシー案」 パブリックコメント募集

また、講演会や技術講習会の希望調査も行っておりますので、ご意見を投稿頂ければ幸いです。

講演会、技術講習会に関する提案募集 (アンケート)

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